5.12015
集団的分析結果を事業者へ提供
・集団分析結果は実施者(産業医等)から事業者に通知されます。事業者は職場環境の改善に役立てることができます
・受検者の数が10名を下回っていた場合は、個人が特定できないよう「仕事のストレス判定図」を用いることで可能です。ただし、本人が特定されないよう配慮し、閲覧可能者や最小人数の制限などを議案とした衛生委員会での調査審議を経て労働者に周知することが求められています。
集団分析結果は、企業が成長するために必要な情報です
企業にとって、部課単位でのストレス値や、全国平均との比較、社内のストレス原因を知ることは、経営上極めて有益な情報となり得ます。
しかしながら、労働者個々人としては、周囲の目や人事評価を恐れ、本当のことを言わないケースが十分に考えられます。
より正確な情報収集を目指すのであれば、企業側の閲覧可能者などに「厳格な」制限を設け、労働者のプライバシーが守られることを事業主(または人事部長)がきちんと表明し、周知することが必要です。
事業者にとってストレスチェックを実施する最大の目的は、労働者の本音を伺うよい機会でかつ日本中で同じ設問により実施されるこの検査を部課単位で集計し、全国平均や職種ごとの全国平均と比較することができる集団分析にあります。
集団分析自体は努力義務ですが、事業者にとって経営課題を数値的に把握できる唯一の機会でもあり、積極的に実施することを強くお勧めします。
事業者への提供にあたっての注意事項
ストレスチェックを行った結果、受検者の数が10名を下回っていた場合は、個人が特定できないよう「仕事のストレス判定図」を用いて分析し提供することができます。
ただし、個人のプライバシー保護を十分留意し、衛生委員会での調査・審議を経て労働者に周知することが必要です。
集団ごとの集計・分析結果は、集団の管理者等にとって評価等につながり得る極めて機微な情報である為、閲覧者の制限なく、事業場内で共有することはできません。
集団ごとの集計・分析を行う際の下限人数と留意事項
在籍労働者数ではなく、実際の受検者数(有効なデータ数)でカウントします。
たとえば、対象とする集団に所属する労働者の数が10人以上であっても、その集団のうち実際にストレスチェックを受検した労働者の数が10人を下回っていた場合は、原則、他の集団に名寄せするなどの工夫が必要となります。
10人の基準を引き下げるためには、衛生委員会で集団分析の実施可能な人数の下限を設定して頂くことが必要です。
10人未満の集団で分析を行う方法
10人を下回る集団ごとの集計・分析の方法として、例えば新職業性ストレス簡易調査票の80項目の全ての合計点について、集団の平均値だけを求めるなど、個人特定につながり得ない方法(たとえば「仕事のストレス判定図」)で実施することは可能であり、あらかじめ衛生委員会での調査審議が必要です。