第029号 過労死の主な死因となる心疾患

12月の衛生委員会の議題例 ~ 過労死の主な死因となる心疾患 ~

心筋梗塞などの「心疾患」は、
過重な仕事(長時間労働・不規則な勤務・頻繁な出張など業務に起因する極度の過労やストレス、
長期間にわたる疲労の蓄積など)が原因で発症する場合があります。
そして、これにより死亡した場合は過労死と呼ばれます。
平成26年11月1日より、過労死等防止対策推進法が施行されました。
この機会に、過労死の主な死因、心疾患について見直してみましょう。

【DL】過労死の主な死因となる心疾患

▼来月の更新テーマは「日常の運動習慣について」です。

DTコラム~現場の声~

「ストレスチェックの義務化と課題」

弊社からも度々お伝えしておりますが、
2015年12月より、50名以上の事業場でのストレスチェックの義務化が施行されることになりました。

<ストレスチェックの概要>
(1)産業医(医師)または保健師等が検査を実施する。
(2)検査の結果は、検査を実施した産業医(医師)または保健師等が直接、労働者に通知する。
(3)産業医(医師)または保健師等は労働者の同意を得ずに、検査結果を事業者に提供してはならない。
(4)検査の結果、労働者が面接指導を希望した場合は、事業者は産業医(医師)による面接指導を実施し、結果を保存する。
(5)事業者は、労働者が面接指導を希望したことを理由に不利益な取り扱いをしてはいけない。
(6)産業医(医師)による面接指導の結果、医師の意見を聴き、必要な場合には、作業の転換、労働時間の短縮、休職など適切な就業上の措置を実施しなければならない。

<想定される課題>
(1)ストレスチェックを実施しても希望者の産業医(医師)面談を実施しない場合
→メンタル不調者発生時に、事業者の責任を問われる機会が増大する可能性

(2)検査結果が、本人にしか通知されない
→労働者が高ストレス状態であっても企業は把握することが出来ず、対策が取れない。

(3)労働者が自ら産業医面談を希望するのか?
→人事を通じて面接を希望することについては、おそらく躊躇する労働者が多い。

(4)チェックを実施する人、しない人の対策
→ストレスチェックは事業者に実施義務がありますが、労働者には受診義務がありません。
受診率を高めるために、啓蒙教育や管理職向け研修などの工夫が必要。

(5)産業医がいない事業場での実施
→産業医や保健師などがいない事業場の場合、体制の整備が必要です。

(6)健康診断とストレスチェックを同時に受診することができるか
→健康診断を行う医療機関の医師の多くは、メンタルの専門家ではないため、対応ができない可能性が高い。
また、労働者と事業者間でのトラブルの原因になりやすく、安易に任せることができない。

<ドクタートラストにご相談ください>
厚生労働省の省令・指針(ガイドライン)は来月(12月)中に一旦とりまとめが行われる予定です。
その結果を踏まえて、弊社では、インターネットを活用したストレスチェックシステムの構築や、
会社(人事)を通さない産業医や保健師による相談窓口の設置などの準備を始めています。
時期が来ましたら、産業医との連携を含めて、貴社をサポート致しますので、しばらくお待ちください。

12月1日 世界エイズデー

エイズの方が増えているのをご存じでしょうか?
日本の平成25年度(平成25年1月1日~平成25年12月31日)の
新規HIV感染者は1106件で過去2位、新規AIDS患者報告数は484件で過去1位。
HIV感染者とAIDS患者を合わせた新規報告数は1509件で過去最多でした。累計では約2万人弱です。

・HIV感染者・・HIV(ヒト免疫不全ウィルス)に感染した人。
HIVは免疫の働きを助ける役目を持つTリンパ球やCD4陽性細胞に感染し、破壊するウイルスです。

・エイズ患者・・後天性免疫不全症候群といい、HIVに感染後代表的な23の疾患が決められており、
1つでも発症した時点でエイズと診断されます。

年齢別にみると、新規HIV感染者は20~30代が多く、エイズ患者は30歳以上が多い。
ここ数年は、50歳以上が増加しています。

HIVは、(1)感染初期(2)無症候期(数年から10年以上)(3)エイズ発症期の経過をたどります。
以前は「HIVは死の病気」と恐れられていましたが、
現在では治療を受け普段通りの生活を送っている方も多いです。
主な治療法は、抗HIV療法などの薬物療法です。

保健所では、名前や住所を知らせずに無料で検査を受けることができます。
心配な方は、まず検査を受けましょう。

◆『エイズ予防情報ネット』http://api-net.jfap.or.jp/
◆『公益財団法人 エイズ予防財団』http://www.jfap.or.jp/
◆『HIV検査相談マップ』http://www.hivkensa.com/

忘年会シーズン到来 お酒に関するトラブルと上手なお酒の飲み方とは?

12月は飲み会が多い時期です。
そのため、急性アルコール中毒も12月が最も多く発生します。
また、飲んだ後の帰り道は、転落事故や交通事故に合うケースも多く発生しています。
多量にお酒を飲んだ、翌朝に運転をするとまだ体内にアルコールが残っているため、
事故を起こしやすくなります。

例えばビール350mlを2本飲んだ場合は、
お酒が抜けるまで4時間以上かかることを覚えておくといいでしょう。
上手なお酒の飲み方とは、下記の適正飲酒の10か条にもあるように
『楽しく、ご飯を食べながら、ゆっくりと飲むこと』が基本です。
二日酔いになってしまった場合は、残念ながら特効薬はありません。
十分な水分を取りましょう。特にグレープフルーツジュースは効果が高いです。
また、連日忘年会が続く場合は、「断る勇気」も必要です。
仲間と楽しく親交を深める忘年会にしたいものです。

◆『適正飲酒の10か条 公益社団法人 アルコール健康医学協会』
http://arukenkyo.or.jp/health/proper/index.html


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ドクタートラストの実務経験豊かな産業保健師、精神保健福祉士(PSW)が、これまで数多くの企業の衛生委員会運営に携わってきた経験を活かし、衛生委員会の立上げ・運営や、企業の衛生管理全般に関して支援するサービスです。


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