労働安全衛生法第1条(目的)
まず、労働安全衛生法(「安衛法」と略すことが多いです!)の目的を再確認しておきましょう。
<2つの目的>
- 職場における労働者の安全と健康を確保する
- 快適な職場環境の形成を促進する
<手段> 事業者が、労働災害防止に関する総合的・計画的な対策を推進する
- 労働災害の防止のための危害防止基準を確立する
- 責任体制の明確化
- 自主的活動の促進の措置を講ずる
労働安全衛生法
第1条(目的)
この法律は、労働基準法 (昭和22年法律第49号)と相まつて、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。
出所:労働安全衛生法
上記の目的を達成するためには、まず第一に、労働者の意見を聞く機会が必要です。毎月1回以上の開催義務のある衛生委員会(安全衛生委員会)にて、労使が対等の立場で意見を交換しながら、快適な職場環境を整備し、はたらく人の安全と健康を守っていかなければなりません。
委員は労使同数が原則です。
議長は、事業場の責任者(本社の場合は、社長もしくは人事担当役員または人事部長。支店の場合は、支店長または総務課長)が議長となり、労働環境の改善や社員の健康と安全を増進させるための計画や対策を決議した上で、実行に移していかなければなりません。
万一、業務上の事故や過労死、メンタル自殺などが起きた場合には、業務上の過失があれば(安全配慮義務違反)、会社だけでなく、人事ラインにいる責任者個人(役員・部長・課長など)が訴えられるケースが増えています。
実際に直属上司や人事の部課長が、罰金の支払命令や損害賠償を個人負担したり、懲役となることでその責任をとることになるのです。
このページを閲覧されている方の多くは、職場環境や社員の健康状態を配慮しなければならない責任者の方々です。
心身ともに健康で、元気にはたらく人を増やしいきたいという想いを実行に移していくためにも、衛生委員会を活発化させ、日本の社会を良くしていきましょう!
安全・衛生委員会の開催義務
安全・衛生委員会の開催義務は労働安全衛生法第18条、19条に記されています
労働安全衛生法
第18条(衛生委員会)
事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、衛生委員会を設けなければならない。
一 労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策に関すること。
二 労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策に関すること。
三 労働災害の原因及び再発防止対策で、衛生に係るものに関すること。
四 前三号に掲げるもののほか、労働者の健康障害の防止及び健康の保持増進に関する重要事項
2 衛生委員会の委員は、次の者をもつて構成する。ただし、第一号の者である委員は、一人とする。
一 総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者
二 衛生管理者のうちから事業者が指名した者
三 産業医のうちから事業者が指名した者
四 当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者
3 事業者は、当該事業場の労働者で、作業環境測定を実施している作業環境測定士であるものを衛生委員会の委員として指名することができる。
4 前条第三項から第五項までの規定は、衛生委員会について準用する。この場合において、同条第3項及び第4項中「第一号の委員」とあるのは、「第18条第2項第一号の者である委員」と読み替えるものとする。
出所:労働安全衛生法
事業者は、常時50人以上の労働者を使用する事業場では、業種を問わず、衛生委員会を開催しなければいけません。
◎注意◎
業種と常時雇用労働者人数によっては、安全委員会も開催する必要がありますので、その場合は、衛生委員会とあわせて「安全衛生委員会」として開催するのが一般的です。
<衛生委員会と安全衛生委員会の設置基準>
それでは、順番に準備を行っていきましょう。
>>>STEP2 衛生委員会メンバーの選出