第044号メンタル不調者を発見したら

3月の衛生委員会の議題例 ~ メンタル不調者を発見したら ~

日本人の自殺は平成10年より14年連続で3万人を超えていました。
最近は2万5千人前後にまで減少しましたが、自殺者の多さは、未だに先進国の中では群を抜いています。

また、自殺者の70~90%が生前に何らかの精神疾患に罹患しており、そのうち60~70%はうつ病であったともいわれています。

今、企業に求められていることは、メンタル不調者を発生させない為の職場環境作りや、万が一、発生した場合には、早い段階での支援体制づくりです。

今回の資料では、「メンタル不調者の見極めと声掛け」についてのポイントをまとめました。

社内での啓蒙活動に、お役立て頂けますと幸いです。

【DL資料】メンタル不調者を発見したら

▼来月のテーマは「新入社員の健康管理」です。

DTコラム~現場の声~

3月は、長時間労働により一年中で最も過労死が増えるシーズンです。

季節の変わり目の急激な気温変化から心筋梗塞や脳卒中などになりやすい時期でもあり、さらに過重労働等でストレスが加わることにより死亡率が格段に上がるということが分かっています。

過労死の原因として、主に、脳血管疾患・虚血性心疾患等による場合と、うつなどの精神障害による自殺があります。

厚生労働省から発表された平成26年の過労死等の労災補償状況は以下の通りです。

おおむね、請求件数の40%が労災認定されています。
……………………………………………………………………………………………
脳・心臓疾患の労災補償状況

請求件数 763件
うち支給決定件数 277件
【労災認定率43.5%】

請求件数のうち死亡 242人
支給決定件数 121人
【労災認定率21.4%】
……………………………………………………………………………………………
精神障害の労災補償状況

請求件数 1456件
うち支給決定件数 497件
【労災認定率38.0%】

請求件数のうち自殺 213人
支給決定件数 99人
【労災認定率47.1%】
……………………………………………………………………………………………

業種別の構成比について

脳・心臓疾患の請求件数が多いのは・・・・

運輸業・・・22%
卸売業、小売業・・・17%
建設業・・・13%
その他・・・20%


となっています。
精神障害の請求件数が多いのは・・・・

製造業・・・17%
医療、福祉・・・16%
卸売業、小売業・・・15%
その他・・・20%


となっています。

……………………………………………………………………………………………
過労死ラインとして近年叫ばれるようになった月80時間超の残業のことを「長時間労働」といいますが、長時間労働による過労死を防ぐにはどうすればよいでしょうか。

(1)時間外・休日の労働時間を削減しましょう
事業者は、管理・監督者だけでなく、裁量労働制の労働者についても安全配慮義務があり、健康確保のための責務があります。

(2)健康管理体制の整備・健康診断を行いましょう
長時間労働者へは産業医による面接指導等を行いましょう。

事業者は、労働者が時間外・休日労働時間が月80時間を超えた場合、産業医による面接指導を受けるよう、積極的に勧奨することが必要です。

過重労働による健康障害を防ぐために(厚生労働省 中央労働災害防止協会)

脳・心臓疾患の労災認定~「過労死」と労災保険~(厚生労働省 都道府県労働局)

……………………………………………………………………………………………
長時間労働は「飲酒運転」を黙認しているようなものであると、考えるべきであり、疲労や精神的負荷を抱えないよう配慮していく必要があります。

対策を行わず、社員の健康状態が悪化していけば、効率的な仕事ができず結果的に企業の生産性が下がってしまいます。

また、昨年4月にブラック企業対策の目玉として東京労働局に「過重労働撲滅特別対策班」いわゆる「かとく」が設置され、靴の大手専門店チェーンや大手ディスカウントストアなどが次々と摘発されています。

長時間労働について対策を行わない企業は生産性が下がるだけでなく、社会的な信用も失墜してしまうということを、常に心に留めておかなければなりません。

また、労働者側も自身の働き方や休み方を見直すことが必要です。

下記のサイトでは働き方・休み方の改善指標を企業側、労働者側の両方から診断することができます。

「働き方・休み方改善ポータルサイト」

働き方の改善取り組み事例などもありますので、参考にされてみてはいかがでしょうか。

保健師からの健康アドバイス

季節の変わり目の体調不良について

3月は冬から春への季節の変わり目です。冬の厳しい寒さがやわらぎ、過ごしやすい陽気も増えてきますが、「なんだか体がだるい」「眠い」「すっきりしない」という不調を感じる方もでてきます。
この原因のひとつは、朝晩の気温差や急激な気候の変動です。

これにより自律神経のバランスが乱れることで体調が不安定になると言われます。
気温の変化などをコントロールすることはできませんが、日々のちょっとした意識で自律神経の働きを整えることができます。

生活習慣の見直しや自分に合ったストレス解消を取り入れ、春の不快な症状を予防しましょう。

*自律神経を整えるには
1.良質な睡眠をとる
2.生活リズムを整える
3.適度な運動を行う
4.リラックスする時間を作る
5.食事バランスに気をつける

自律神経失調症についてはこちらをご確認ください

春の睡眠の日

3月18日は「春の睡眠の日」です。睡眠の日は春と秋に2回あります。
これは、睡眠健康推進機構が、睡眠健康への意識を高めることを目的に制定したものです。

厚生労働省では成人を対象として、睡眠の問題を予防・改善するための情報をまとめた「健康づくりのための睡眠指針2014」を公開しています。
その中で睡眠12箇条を示しています。
睡眠不足が続くと、生活や仕事に影響することが考えられます。
この機会に睡眠について見直しましょう。

*睡眠12箇条
1. 良い睡眠で、からだもこころも健康に
2. 適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを
3. 良い睡眠は、生活習慣病予防につながります
4. 睡眠による休養感は、こころの健康に重要です
5. 年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を
6. 良い睡眠のためには、環境づくりも重要です
7. 若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ
8. 勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠
9. 熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠
10. 眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない
11. いつもと違う睡眠には、要注意
12. 眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を

健康づくりのための睡眠指針2014


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ドクタートラストの実務経験豊かな産業保健師、精神保健福祉士(PSW)が、これまで数多くの企業の衛生委員会運営に携わってきた経験を活かし、衛生委員会の立上げ・運営や、企業の衛生管理全般に関して支援するサービスです。


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