12月の衛生委員会の議題例 他人事ではない!高年齢になっても働ける秘訣
高年齢の方が働きやすい職場環境とは、従業員みんなに優しい企業といえます。
一人ひとりがパワフルに働けるように取り組んでいきましょう。
DTコラム ~ 現場の声 ~
ストレスチェック後の職場環境改善に使える「職場環境改善計画助成金」
今回は、ストレスチェック後の職場環境改善で役立つ助成金「職場環境改善計画助成金」をご紹介します。
ストレスチェックを活かして職場環境改善につなげたいけど費用が気になっているご担当者さま、本助成金の活用を検討してみませんか。
「職場環境改善計画助成金」とは?
職場環境改善計画助成金とは、ストレスチェックの集団分析結果を活かし、なおかつ専門家による指導に基づき職場環境改善計画を作成、実施した場合に指導費用の助成を受けることができる制度です。
1事業場当たり 100,000 円を上限とし、1回限り支給されます。
専門家とは、産業医や保健師などの医療職、公認心理師や精神保健福祉士などの心理職、それに社会保険労務士、労働衛生コンサルタントを指します。
独立行政法人労働者健康安全機構が行っており、事業場コースと建築現場コースの2つが設けられていますが、以下では、事業場コースに沿って手続きの流れや条件を紹介します。
職場環境改善計画助成金を受けるための手続き
助成を受けるまでの手続きは以下のとおりです。
① ストレスチェック制度の実施:ストレスチェックを実施し、個人に結果を通知
② 集団分析の実施:一定人数以上の集団ごとに個人を特定されないように分析
③ 職場環境改善計画の作成に係る指導契約の締結:専門家と職場環境改善計画の作成に係る契約を締結
④ 改善計画の作成:専門家からの集団分析を踏まえた職場環境の評価、改善すべき事項を踏まえ、職場環境改善計画を作成
⑤ 職場環境の改善:職場環境改善計画に基づき改善を実施(例:相談窓口の設置や、労働時間の削減、物理的な職場環境の改善等)
⑥ 助成金の申請:申請書と添付資料を提出
⑦ 助成金支給の審査、振込:申請が通れば助成金が振り込まれる
「職場環境改善計画助成金」を受けるための要件
「職場環境改善計画助成金」を受けるためには、下記の要件を満たしている必要があります。
事業場の要件
事業場の要件は、以下2つをすべて満たしている必要があります。
① 労働者を雇用している法人・個人事業主
② 労働保険の適用事業場
取組みの要件
次の取組みをすべて実施することで助成を受けることができます。
① ストレスチェック実施後の集団分析を実施している
② 平成29年度以降、専門家と職場環境改善指導に係る契約を締結している
③ ストレスチェック実施後の集団分析結果だけではなく、専門家から管理監督者による日常の職場管理で得られた情報、労働者からの意見聴取で得られた情報および産業保健スタッフによる職場巡視で得られた情報等も勘案して職場環境の評価を受け、改善すべき事項について指導を受けている
④ 専門家の指導に基づき職場環境改善計画を作成し、当該計画に基づき職場環境の改善の全部または一部を実施している
⑤ 専門家から、職場環境改善計画に基づき職場環境の改善が実施されたことの確認を受けている
ドクタートラストのストレスチェックサービス
「産業保健新聞」を運営するドクタートラストには医療職をはじめとした「専門家」が多数在籍しており、集団分析を踏まえた職場環境改善に活用できるサービスを各種提供しています。
セミナー
各種定型セミナーほか、オーダーメイドの研修会も可能です。
集団分析後、特定の問題点を解決するための研修会として効果的です。
報告会
ストレスチェックの結果をもとに経営層の方々向けの報告会を実施します。
今後の職場改善案の計画策定も可能です。
さいごに
職場環境改善計画助成金は、ストレスチェックを積極的に活かそうとする企業、事業場にとって大変魅力的な制度です。
ドクタートラストでは、ストレスチェックの実施から、専門家による職場環境改善までワンストップで提供していますので、お気軽にお問合せください。
<参考>
独立行政法人労働者健康安全機構「令和2年度職場環境改善助成金(事業場コース)」
保健師からの健康アドバイス ~ お役立ちサイトや資料の紹介 ~
予備軍も含めると2,000万人~糖尿病ってどんな病気?~
毎年11月14日はIDF(国際糖尿病連合)とWHO(世界保健機関)によって世界糖尿病デーと制定されています。
また日本糖尿病学会と日本糖尿病協会が、この日を含む1週間を「全国糖尿病週間」と定めています。
全国糖尿病週間には糖尿病に関する知識と理解を含め、その予防と早期発見・治療を促進するためのさまざまな啓発活動が全国で催されます。
今回は糖尿病についてわかりやすく解説します。
糖尿病とは?
糖尿病とは、食べ物や飲み物で摂った栄養をブドウ糖として体のエネルギーにするためのホルモンが上手く作用しない、または十分に分泌されていない状態です。
ホルモンがうまく作用しない、分泌されないことでブドウ糖は血液中に滞り、血糖値は上昇していきます。
この血糖コントロールが不良な状態を放置すると、血管が徐々にダメージを受けていくのです。
また糖尿病は重篤な三大合併症(腎症、網膜症、神経障害)のほか、歯周病など糖尿病以外のさまざまな疾患を引き起こす要因とも考えられています。
三大合併症の中の糖尿病性腎症は、特に医療費のかかる人工透析の原因になることから、重症化予防は大きな課題です。
糖尿病患者はどれくらいいる?
現在、わが国においては、糖尿病が強く疑われる者(糖尿病有病者)、糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群)はいずれも約1,000万人(合わせて約2,000万人)と推計されています。
糖尿病が強く疑われる者の人口に対する割合は男性16.3%、女性9.3%であり、年齢が高いほど糖尿病有病者の割合が高くなる傾向にあります。
また糖尿病有病者の割合は最近20年間で増加傾向がみられます。(平成28年国民健康・栄養調査)
加えて「糖質が増えると欧米人は肥満になり日本人は糖尿病になる」と言われており、日本人は体質的に糖尿病になりやすいと考えられています。
実際、日本人は欧米人にくらべると肥満は非常に少ないのですが、糖質摂取量が増えて糖尿病が増えています。
健康診断で気を付けたい結果はこれだ
年末年始のお休み期間は、ついつい飲み食いしたり、寒くて屋内に引きこもったりしがちで、体重が増えてしまう方もいらっしゃると思います。
定期健康診断結果を確認し、下の検査項目に再検査や要精検、要医療判定であれば受診を検討しましょう。
◎ 空腹時血糖値(または随時血糖値)
血糖値とは、血液中のブドウ糖の量です。
エネルギーとして細胞に取り込まれ使われますが、上手く使えないと血糖値が高くなります。
◎ HbA1c
HbA1cとは、血液中のブドウ糖と、赤血球に含まれるたんぱく質であるヘモグロビンが結合したものです。
HbA1cの値から、過去1~2か月前の血糖コントロール具合を見ることができます。
数値が高いと血糖コントロールが不良である状態が疑われます。
◎ 尿糖
ブドウ糖は腎臓でろ過され再吸収されています。
しかし、ブドウ糖の量が増えろ過が追い付かないと尿中にあふれてしまいます。
陽性の場合は血糖コントロールが不良である状態が疑われます。
以下の記事も合わせてご参照ください
経営者にこそ読んでほしい。ストレスチェック受検率を上げるべき明確な理由(産業保健新聞)
家飲みで増える飲酒量、もしかしてアルコール依存?(産業保健新聞)
コロナ禍で睡眠の質が低下!会社として取り組めることとは?(産業保健新聞)