3月の衛生委員会の議題例 定年延長時代の健康管理術
平均寿命の延伸に伴い定年が延長される時代には、「フレイル」の予防が求められます。
下記URLよりダウンロードできます。ぜひ積極的にご活用ください。
「 定年延長時代の健康管理術 」
DTコラム ~ 現場の声 ~
待ったなしの原則屋内禁煙!オフィスの対応は万全ですか?
2018年7月に成立した改正健康増進法により、2020年4月からは原則屋内禁煙となります。
施設内において、喫煙をするためには喫煙室の設置が求められますが、この喫煙室の要件は、施設によって異なってきます。
今回は、間近に迫った原則屋内禁煙について、オフィスにおける対応を今一度確認しましょう。
<パワハラ防止指針案、厚労省審議会で了承~2020年6月から適用開始~>
パワハラ防止指針案は、2020年6月から適用されるパワハラ防止法を見据え、どのような行為がパワーハラスメントにあたるのか、企業が行うべきパワハラ対策が定められています。
また、パワハラ防止指針案には、具体的な対策として以下のように「相談窓口」の設置を求めています。
改正健康増進法のポイント
企業担当者へハラスメント対策や窓口の設置状況について伺うと、主に以下のような回答をいただきます。
本改正は、受動喫煙対策を強化することに主眼が置かれているため、「受動喫煙対策法」あるいは「受動喫煙防止法」ともいわれています。
まずは改正健康増進法の全体概要を見ていきます。
① 規模の小さな飲食店には喫煙可能室の経過措置あり
経営規模の小さな飲食店(既存特定飲食提供施設)の場合、禁煙によって事業継続影響を与えることが考えられるため、経過措置として「喫煙可能室」の設置を可能としています。
<「経営規模の小さな飲食店」に該当する条件:以下すべてを満たす>
・ 2020年4月1日時点で営業している飲食店であること
・ 資本金5,000万円以下であること
・ 客席面積100平方メートル以下であること
② 禁煙室の標識掲示
施設に喫煙設備がある場合標識の掲示が義務付けられます。
紛らわしい標識の掲示や、標識の汚損などは罰則の対象となります。
③ 20歳未満は喫煙エリアへの立入禁止
20歳未満の方は、喫煙をしない場合でも、喫煙エリア(喫煙室や喫煙設備)への立ち入りが禁止です。
たとえ従業員であっても、喫煙エリアへは立ち入ることができません。
④ 適切な受動喫煙防止設備
喫煙専用室を設ける場合は、たばこの煙の流出防止にかかる技術的基準が定められています。
<技術的基準>
・ 出入口において室外から室内に流入する空気の気流が0.2メートル/秒以上であること
・ たばこの煙(蒸気を含む)が室内から室外に流出しないよう、壁、天井等によって区画されていること
・ たばこの煙が屋外または外部に排気されていること
⑤ 従業員への受動喫煙対策
従業員に対する受動喫煙対策が努力義務として課せられています。
オフィスでの対応
オフィスは、原則屋内禁煙ですが、喫煙専用室の設置が可能です。
また、当面の経過措置として、加熱たばこ専用喫煙室についても設置が認められています。
① 設置可能な喫煙室
喫煙室を設置する場合は、「喫煙専用室」「加熱式たばこ専用喫煙室」のどちらかもしくは両方のタイプを選択することができます。
② 喫煙室の設置期限
改正法は、2020年4月に全面施行となりますので、それまでに受動喫煙について検討を行い、準備を進めなければいけません。
③ 財政・助成支援
受動喫煙対策を行う際の支援として、各種財政・税制上の制度の制度が整っています。
・財政支援「受動喫煙防止対策助成金」:工費、設備費、備品費、機械装置費等の経費に対して助成を行う制度
・税制措置「特別償却又は税額控除制度」:取得価格の特別償却(30%)または税額控除(7%)の適用が認められる
④ 違反時の指導・命令・罰則
改正法では、以下の義務を課すこととしています。
・ 喫煙禁止場所での喫煙器具、設備等の設置禁止
・ 標識の設置
・ 各種喫煙室の基準適合
違反者には、罰則が科せられることがありますが、突然科せられるわけではなく、まずは多くの場合指導となります。
それでも改善が認められない場合は、以下の罰則となります。
・ 違反した施設管理者には最大50万円の罰金
・ 各種喫煙室が基準に適合しない場合は施設管理者に最大50万円の罰金
・ 禁煙に違反して喫煙した人は最大30万円の罰金
禁煙に向けた取り組みを企業でも
これを機に、従業員への禁煙指導を進めようとされているところもあるのではないでしょうか。
ドクタートラストでは、喫煙や受動喫煙についてまとめた資料をご用意しています。
「たばこと健康」(衛生委員会ハンドブック)
また、保健師によるセミナーや健康指導なども実施していますので、お気軽にご相談ください。
【参考】
「なくそう!望まない受動喫煙。」(厚生労働省)
ドクタートラストのセミナーでは講師が皆さんにお話をするだけではなく、グループワークを取り入れることでより理解を深め、実際の場面で役立てていただけるような内容になっています。
個々のニーズに合わせたセミナーの開催が可能ですので、お気軽にご相談ください!
保健師からの健康アドバイス ~ お役立ちサイトや資料の紹介 ~
気圧の変化で肺に異変?冬に起こりえる自然気胸
冬は、空気の乾燥や気温、気圧の変化、ウイルスの蔓延などの原因で風邪やインフルエンザで咳がでる疾患が多くあります。
咳がなかなか治まらない、ヒューヒュー、ゼイゼイといった苦しい息をするといった症状ありませんか?
ただ風邪が長引いているだけかな?と思っていたら、実は咳喘息や自然気胸といった病気が隠されているかもしれません。
そこで、今回取り上げますのが自然気胸。
気胸とは「本来空気が存在するはずのない胸腔内に何らかの原因で空気が入った状態、もしくは空気が存在し、そのために肺が虚脱した状態」と定義されています。
つまりは、何らかの原因で、肺に突然穴が開いて空気が漏れて、肺がしぼんでしまっている状態です。
この病気は、10代~30代の「やせ型で胸板の薄い男性」に多く発生します。
今日は、自然気胸ってなに?自然気胸の予防策は?といったお話をします。
自然気胸ってなに?
気胸とは、肺がしぼんでしまった状態です。
肺は通常、風船のように、息をしているときにしぼんだり膨らんだりしています。
少し専門的にお話をすると、肺は肺自体を自ら動かすことができませんよね。
横隔膜などの呼吸筋の動きと、それに伴う肺内(胸腔内)の圧力の変化によって動かされています。
その圧力は、常に陰圧で、陰圧が強まったり弱まったりすることで、息を吸ったり吐いたりしています。
ところが、自然気胸とは、なんらかの原因で、肺内に空気が流れ込んで陰圧が消失してしまい、肺自身のもつ弾性によりしぼんでしまった状態です。
自然気胸の症状
一般的な症状としては以下があります。
・胸の痛み
・肩や背中の痛み
・呼吸困難感(息のしづらさ)
・乾いた咳
胸だけでなく、肩や背中の痛みとして感じることもあるので、注意が必要です。
また、両側の肺が同時に気胸になることもあります。
その場合は、急速に酸素が足りない状態になってしまうため、命の危険を伴います。
「風邪をこじらせたのか咳が止まらず息が苦しい」「胸が痛い」など症状があれば、そのままにせず一度病院を受診してみてください。
自然気胸の原因と予防
年代によって異なる原因
自然気胸は男女比では7~10:1といわれるほど、男性に多く発生します。
また、20代と60代に発生しやすいとされています。
<20代で自然気胸の発生しやすい人>
・ 高身長で痩せ形
・ 胸囲の狭い人
<60代で自然気胸の発生しやすい人>
・ 喫煙者
・ 肺がんや肺気腫など、元々肺に疾患のある人
「喫煙」「気圧や気候の変化」「疲労」「ストレス」「寝不足」が気胸を発生させる要因といわれています。
2月から3月にかけては、天気の変化が激しい時期です。
さらに、年度末であることから、仕事に追われストレスを抱えたり、睡眠時間を削ったりする方もいらっしゃるかと思います。
心身に大きな負担がかかるそういう時こそ、「あれおかしいな?」という身体のサインを早めにキャッチして、気胸の予防策をとりましょう。
自然気胸の予防方法
・ 規則正しい食事
自然気胸は、痩せ形の方に多く発生します。
食事は栄養的に偏らないようにしましょう。
また、最近は3食食べない人も増えてきています。
欠食は、栄養のバランスを崩しがちになるので、腹八分目を心がけ、1日3食、規則正しい食事をとるようにしてください。
・ ストレスを溜めない
気胸の発生は原因不明と言われていますが、試験前や忙しい時に限って起こすということも多くみられるそうです。
そのため、メカニズムは未だわかっていませんが、身体的・心理的ストレスを感じている時に、気胸が発生しやすくなるのではないかといわれています。
ストレスは多かれ少なかれ我々の生活に存在しています。
むしろストレスは、適度にあると、からだが強くなるともされています。
しかし、一方で、あるアンケートでは東京で働くビジネスパーソンの8割以上が「疲れている」と答え、ストレスをため込んでいる人が多いことがわかります。
ストレスとうまく付き合うコツは「慢性化させないこと」です。
気分が落ち込みやすくなる・イライラする・眠れない・食欲がない等の、いつもと違った状態のときは、ストレスを解消させることが必要かもしれません。
自分のストレスサインを知って、早めのセルフケアをしましょう。
・ 禁煙
気胸発生に一番関わるのは「喫煙」です。
喫煙者は非喫煙者にくらべ、発症リスクが、数十倍になるとされています。
実際に、肺の機能は加齢とともに年々低下していきますが、喫煙者は非喫煙者にくらべ、肺機能の低下速度が大きくなります。
喫煙者の皆さんは、耳にタコができるほど、「禁煙してください」と言われていると思いますが、「禁煙」は気胸を始めとした呼吸器の疾患を予防する、最も効果的で経済的な治療法です。
今からでも決して遅くありません。
ぜひ禁煙を始めてみてください。
お役立ちサイトのご案内
・ 「知ることから始めよう みんなのメンタルヘルス」(厚生労働省)
・ 「禁煙推進webサイト 禁煙は愛」(公益社団法人日本医師会)
以下の記事も合わせてご参照ください
企業における受動喫煙対策の取り組みが進んでいます~キーワードは、チームで禁煙~(産業保健新聞)
受動喫煙対策、他社はこんなふうに進めています(産業保健新聞)
日本人の死因第4位!肺炎の怖さと今気をつけたいこと(産業保健新聞)