第079号 若者も注意したい腎機能の低下

2月の衛生委員会の議題例 若者も注意したい腎機能の低下

痛風=おじさんの病気
そんなイメージの方も多いのではないでしょうか。
実は、20〜30代の「痛風予備軍」は年々増加傾向にあるのです。

下記URLよりダウンロードできます。ぜひ積極的にご活用ください。

『若者も注意したい腎機能の低下』

DTコラム ~ 現場の声 ~

皆さまもご存知のとおり、2019年4月から「多様な働き方を自分で選択できる社会を実現する”働き方改革”を推進するための法律」として働き方改革法が施行されます。

そのなかには、「長時間労働の是正」や「勤務間インターバル制度の普及促進」など企業として取り組むべき事項が盛り込まれています。
かく言う私もドクタートラストの渉外担当として、毎日さまざまな企業へ訪問していますが、担当の方々が口を揃えて仰るのが「労働者の健康確保のための産業医・産業保健機能の強化」についてです。

「ドクタートラストさんから産業医は紹介していただいておりますが、このままの体制で大丈夫でしょうか?」

今回は4月の施行を前に、改めてこちらのトピックスについて、取り上げてみたいと思います。

「産業医・産業保健の強化」として盛り込まれている事項

「労働者の健康確保のための産業医・産業保健機能の強化」は主として下記の3つの改正が盛り込まれています。

1. 産業医に対する情報提供等の充実・強化
2. 産業医の活動環境の整備
3. 労働者に対する健康相談の体制整備、労働者の健康情報の適正な取り扱いルールの推進

上記3点について、以下では詳しくみていきます。

産業医に対する情報提供等の充実・強化

「産業医・産業保健の強化」のなかで、まず私が驚いたのが、産業医の役割が条文のなかに盛り込まれている点です。

<新労働安全衛生法13条3項>
産業医は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識に基づいて、誠実にその職務を行わなければならない

この条文で目を引いたのが「誠実に」という文言です。
今まではもちろん入っていませんでした。
条文として規定したということは、産業医の名義貸しなど、不誠実に職務を行う産業医がまだいるということを暗に示しているのかもしれない、ということが想定されます。

また、以下のように規定され、事業者から産業医への情報提供の充実・強化が図られています。

<新労働安全衛生法13条4項>
産業医を選任した事業者は、産業医に対し、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の労働時間に関する情報その他の産業医が労働者の健康管理等を適切に行うために必要な情報として厚生労働省令で定めるものを提供しなければならない。

ポイントは、従前は「産業医が必要と認めた際は、事業者に対して勧告をすることができる」となっていたものが、「事業者側から、長時間労働者の状況や業務の状況について産業医が労働者の健康管理を適切に行うために、情報を提供しなければならない」というように事業者側からの提案が必要になった、というところがあります。
具体的には、衛星委員会のなかでこちらの情報を共有する、といったことが大切になるのではないでしょうか。

産業医の活動環境の整備

現在、事業者は、産業医から勧告を受けた場合は、その勧告を尊重する義務がありますが、改正後は、以下のように、より具体的になりました。

<新労働安全衛生法13条6項>
事業者は、前項の勧告を受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該勧告の内容その他の厚生労働省令で定める事項を衛生委員会又は安全衛生委員会に報告しなければならない。

従前は明記されていなかった、「衛生委員会」がポイントになります。
また、そのほかにも産業医等の業務内容などを掲示するなども盛り込まれています。
具体的には、産業医への相談・利用方法、産業医の役割について各事業所の見やすいところへ掲示することなどで、労働者へ周知をすることがポイントでしょう。

労働者に対する健康相談の体制整備、労働者の健康情報の適正な取り扱いルールの推進

産業医などによる労働者の健康相談について強化されました。

現在、事業者は、労働者の健康相談等を継続的かつ計画的に行う必要がある、と「努力義務」となっていますが、以下のようにより厳しく規定されることとなりました。

<新労働安全衛生法13条の3>
事業者は、産業医又は前条第一項に規定する者による労働者の健康管理等の適切な実施を図るため、産業医又は同項に規定する者が労働者からの健康相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講ずるように努めなければならない。

合わせて、過重労働者やメンタル不調などによって健康リスクの高い従業員を見逃さないことを目的に、従業員の健康情報の収集や保管、適切な管理についての指針を定め、安心して職場で健康相談や健康診断を受けられる体制の整備と明確化が求められることとなります。

今回「労働者の健康確保のための産業医・産業保健機能の強化」のポイントとして上記の3つを取り上げてみました。

産業医を選任したが、社内でうまく機能していない企業もあるのではないのでしょうか。
それに対して産業医のあり方が、より具体性を帯びたように感じています。
今後、働き方改革法が企業の「健康経営」の一歩につながることを期待します。
ドクタートラストでは随時、本改正法案の詳細が分かり次第皆様には情報発信してまいります。

<参考>
厚生労働省「「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について」

 

保健師からの健康アドバイス ~ お役立ちサイトや資料の紹介 ~

2019年のテーマは少酒〜全国生活習慣病予防月間〜

一般社団法人日本生活習慣病予防協会では、生活習慣病予防に対する国民の意識向上と、これによる健康寿命の延伸を目指すべく、毎年2月を「全国生活習慣病予防月間」と定めています。
全国生活習慣病予防月間には「”一無、二少、三多”で生活習慣病予防」を基本テーマ、さらに毎年のテーマを定め、啓発活動を行っています。

一無、二少、三多とは

一無、二少、三多は、それぞれ以下のように対応しています。

・ 一無(いちむ):無煙、禁煙
・ 二少:少食、少酒
・ 三多:体を多く動かし(多動)、しっかり休養をとる(多休)、多くの人、事、物に接する生活(多接)

2019年のテーマ「少酒」

2019年のテーマは「少酒」です。
わかっていても、お酒が好きな方には難しいテーマかもしれません。
特に、12月から1月にかけては忘年会や新年会で飲酒量が増えた方も多いのではないでしょうか。
2月はできるだけお酒を控えてみませんか。

また、お酒を飲む場合は、1日の適正量を意識してみましょう。

【望ましいとされている1日のアルコール摂取量の例】

お酒の種類 (アルコール度数/純アルコール量)
・ ビール:中瓶1本500ml (5%/20g)
・ 清酒:1合180ml (15%/22g)
・ ウイスキー:ダブル60ml (43%/20g)
・ 焼酎 35度:1合180ml (35%/50g)
・ ワイン:1杯120ml (12%/12g

飲酒量チェックツールの活用

摂取したアルコール量、分解完了までの時間を調べるには、飲酒量チェックツール「SNAPPY-PANDA」がおすすめです。
飲んだお酒と量を選択するだけで、トータルのアルコール量と、アルコールの分解が終わるまでにかかる時間の目安がチェックできます。
下記リンクより、無料で利用できます。

「SNAPPY-PANDA」

全国生活習慣病予防月間の特設サイトでは、啓発ポスターやリーフレットも無料で公開されています。
衛生委員会のテーマに利用されてはいかがでしょうか。

<参考>
・ 「毎年2月は全国生活習慣病予防月間」(一般社団法人日本生活習慣病予防協会)
・ 「健康日本21(アルコール)」(厚生労働省)


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