12月の衛生委員会の議題例 睡眠について〜睡眠が及ぼす作業効率への影響〜
「眠れなくても、横になって目を閉じていれば身体は休まる!」
実はこれは大きな誤りであることをご存知でしょうか。
下記URLよりダウンロードできます。ぜひ積極的にご活用ください。
DTコラム ~ 現場の声 ~
「安全配慮義務」は耳慣れた言葉かと思います。
では、「合理的配慮提供義務」はご存知でしょうか。
どちらも労働者を雇用する会社の義務であり、訴訟に発展した際に、この2つの違反で罰せられ、損害賠償請求を受けるケースが増えています。
そうならないためにも、成り立ちと主旨を理解しましょう。
■ 安全配慮義務と合理的配慮提供義務の違い
安全配慮義務
まず、「安全配慮義務」とは、労働者が安全で健康に働くことができるように配慮しなければならない、会社の負う義務です。
契約書や就業規則で明示されている必要はなく、雇用契約締結に伴って会社が当然負うべき義務とされています。
1975年2月に判例で示されたことで確立され、2008年3月に施行された労働契約法にて明文化されました。
当初は、労働災害によるケガや死亡事故などを対象としたものでしたが、労働環境や働き方など、時代の変化に伴い、過重労働やハラスメントなどによる脳や心臓などの疾患や精神疾患においても「安全配慮義務」が問われるようになってきています。
過労死や過労自殺など最悪の場合には、損害賠償請求額が「安全配慮義務違反」について数千万円を超えるケースも少なくありません。
合理的配慮提供義務
一方、「合理的配慮提供義務」とは、2006年12月に国連総会で採択された「障害者権利条約」に日本が署名し、2013年に「障害者差別解消法」を制定するとともに、「障害者雇用促進法」の改正を行ったこと、さらに2016年4月に障害者差別解消法が施行されたことで義務化されたものです。
■ 合理的配慮提供義務の概要
まずは、「合理的配慮提供義務」の概要を以下にご紹介します。
- 2016年4月に施行
- すべての事業主が対象
- 障害者の定義に該当すれば「合理的配慮提供義務」の対象
「障害者」の定義は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律をご参照ください。
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。
つまり、発達障害、難治性疾患や高次脳機能障害も「障害者」の定義にあてはまります。
また、障害者手帳を所持せず、障害の申し出がない障害者であっても、雇用後の差別禁止や合理的配慮提供義務は発生します。
特に、発達障害の方は病識を伴わない、または自己申告はしない方も見受けられますので注意が必要です。
合理的配慮とは
続いては、合理的配慮の内容を具体的にみていきましょう。
ポイントは以下の3点です。
① 障害労働者の個別のニーズに応じて
② 事業主の過重負担にはならない範囲で
③ 能力の発揮を妨げる社会的な障壁を取り除くこと
各ポイントを以下でご説明します。
① 障害労働者の個別のニーズに応じて
身体障害であっても脳や心臓などの疾患、精神障害や発達障害など、他人からは見て判断することができずわかりづらい、発達障害の場合には時には本人もよく認識できていない上にコミュニケーション自体が苦手というケースが往々にして存在します。
そういった際に、事業主から率先して「対話」を行ない、お互いに能力の発揮を妨げる個別の障壁を把握することが第一歩となります。
② 事業主の過重負担にはならない範囲で
企業は営利を求めるものであり、ボランティアではありません。
法律で求めているのは、何が何でも障害者に配慮をして雇用をし続けろというものではありません。
過重負担とならない範囲も企業により異なるため、個別の対応が求められ、そのすり合わせをするためにも、「対話」が重要になってきます。
③ 能力の発揮を妨げる社会的な障壁を取り除くこと
「対話」から、物理的環境(バリアフリー化など)や業務遂行上のルール(細かく一つずつ細分化する、イラストを用いたマニュアルの作成、業務の分業化など)、労働時間や勤務形態など、ハード面やソフト面で、障害労働者が能力を発揮して働ける環境を可能な範囲で提供します。
企業ごとに過重負担とならない範囲、つまりできる範囲で問題はありませんので、お互いに納得したかたちで配慮し合いましょう。
また、配慮し合うと書きましたが、障害者は一方的に提供される配慮を享受すれば良いわけではありません。
雇用契約を締結するからには労務の提供は義務となり、配慮を受けた環境の中で最大限のパフォーマンスを発揮しつつ、自助努力を続けなければなりません。
障害者とはいえ、自助努力を行なわない労働者に対して裁判所は公平に判断を下します。
そもそも、「配慮」という言葉は、イメージ的に一方的に「してもらうもの」「してあげるもの」の様な印象を持っている方もいるかもしれませんが、「合理的配慮」の原語である「Reasonable Accommodation」の「Accommodation」には、「調整・便宜」という意味があります。
お互いにとって過ごしやすい環境を作るにはどうすれば良いか? という視点で対話を進めると良いでしょう。
■ 障害者雇用を一つのきっかけに
障害者雇用は通常とは異なる対応や視点が必要となるため、大変なことも多くあるかもしれません。
しかし、貴重な労働力の確保と、「合理的配慮」から産まれる職場環境改善や業務フローの見直しなどを通して、ほかの労働者にとっても働きやすい、生産性の高い環境を創り上げるチャンスでもあります。
そのような環境であれば高齢者雇用のハードルも下がり、労働人口の減少が騒がれている現代において、これから増える高齢者労働力の確保が容易になります。
障害者雇用を一つのきっかけとして、職場環境改善のための「合理的配慮」を検討し、働き方改革に取り組んでみてはいかがでしょうか。
保健師からの健康アドバイス ~ お役立ちサイトや資料の紹介 ~
疲労回復をし、メンタルを強化しましょう!
11月は過労死防止啓発月間でした。
皆さんの職場では何か取り組みを行いましたか。
■ 疲労の蓄積という視点
過労死には、疲労の蓄積が大きく関係しており、仕事量や残業時間のみでは判断できません。
そして疲労には、身体活動だけでなく、ストレスなどの精神面も関与してきます。
さらに疲労が蓄積すると身体面だけでなく精神面へも影響を及ぼし、生活や仕事で支障をきたすようになるのです。
■ 自分でできる疲労度チェック
過労死の原因には、長時間労働によるメンタルヘルス不調や脳・心疾患が挙げられます。
自身の日頃の健康管理を行い、疲労の蓄積に早い段階で気づき、休息をとるようにしましょう。
~自身の疲労度を確認してみましょう~
- 1日の休息でスッキリしない
- イライラや不安になりやすい
- よく眠れない
- 体調が悪い
- 物事に集中できない
- ミスが多い
■ 最も大事な休息は、睡眠
休息の中でも、身体も心を休ませ、メンテナンスができるのは「睡眠」です。
年代ごとに必要な睡眠時間は以下のように異なっていますので、ご自身のご年齢と照らし合わせてみてください。
- 大学生:8時間
- 20代:8時間弱
- 30~40代:7時間
- 50代:6時間
- 60歳以上:6時間弱
(参考Science Vol.15(3722),1966,604,619)
また、米国国立睡眠財団(NSF)によれば年齢別の睡眠推奨時間は、18~64歳であれば7~9時間とされています。
皆さんの疲労度、睡眠時間はいかがでしたでしょうか。
健康に働き続けられるように自身の疲労度を確認し、リフレッシュする機会や休息を確保しましょう。
冬の感染症が流行し始める前に……。見直そう!オフィスの感染症対策!
冬の季節は、インフルエンザやノロウイルス、マイコプラズマなどさまざまな感染症が流行します。
■ 感染が拡大しやすい
前述の感染症は症状が出るまで数日かかることから、感染が非常に拡大しやすいため、「感染を防ぐ」ことが重要です。
年末に向けて繁忙期に入る方も多いと思います。
この時期を元気に過ごして、新しい年を迎えたいですよね。
■ 感染症対策、間違っていませんか?
今回は、オフィスで実行できる感染症対策をご紹介します。
今までの間違った感染症対策していませんか?
チェックしてみてください。
■ 会社でできる感染症予防対策
□ アルコール手指消毒剤は、オフィスに出入口付近とオフィス内のそれぞれに設置しましょう
ウイルスや細菌をオフィス内へ持ち込まないよう、正しい設置場所を考えましょう!
□ 手洗いの石鹸は液体石鹸がおすすめ
固形石鹸は表面に雑菌が付着しやすいという欠点があります。
もしも固形石鹸を使う場合は、使用後に表面をしっかり乾かしましょう。
□ タオルやハンカチの使用ではなく、ペーパータオルの活用を
□ 使用したマスクやティッシュは、ふた付きのごみ箱かビニール袋に入れて適宜廃棄を
□ ノロウイルス感染予防のための必要物品を常備(嘔吐物・汚物の処理セットの常備)
例:エプロン、マスク、手袋、汚物を入れる袋、ティッシュ、次亜塩素ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤)
※ ノロウイルスはアルコール消毒では効果はありません。次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤)で消毒しましょう。
□ 感染症予防のポスター掲示などで従業員へ注意喚起
□ 感染症が疑われる従業員の把握と感染症症状のある従業員の把握