第084号 守りたい歯と口の健康

7月の衛生委員会の議題例 守りたい歯と口の健康

歯の健康が、実は生命にも大きくかかわっていることをご存知でしょうか?

下記URLよりダウンロードできます。ぜひ積極的にご活用ください。
「守りたい歯と口の健康」

DTコラム ~ 現場の声 ~

日本では「カウンセリングは精神的に病んでいる人が受けるもの」と思われがちですが、アメリカではもっと身近な存在であり、「カウンセリングは心の調子を整えるために受けるもの」と認知されています。

先日、企業さまから「離職率が高く困っている」とご相談を受け、ドクタートラスト所属の公認心理師による全従業員対象のカウンセリングと職場環境改善に向けたコンサルテーションを実施しました。
企業さまからも大変好評いただき、「職場環境改善カウンセリング・コンサルテーションサービス(仮)」として他社さんでもサービスを提供していく予定です。

カウンセリングによってできること

日本では「カウンセリングは精神的に病んでいる人が受けるもの」と思われがちですが、アメリカではもっと身近な存在であり、「カウンセリングは心の調子を整えるために受けるもの」と認知されています。
カウンセラーが相談者と話をして、病院に行くほどではないちょっとした悩みやメンタル不調であれば、セルフケアのアドバイスを行い、必要であれば医療機関への受診勧奨や継続的なカウンセリングを提案します。
メンタル不調がなく健康な人に対しては、仕事面での課題や職場環境への意見を聞き出し、課題解決のアドバイスをすることもあります。

全員面談によってハードルが下がる

ある調査によると「現在の仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスになっていると感じる事柄がある労働者」の割合は約60%にもなりますが、医師や保健師、カウンセラーなどの専門家に相談する人はその中でもごくわずかです。
また、ストレスチェックで高ストレス者に該当したとしても面談に進むのは一部にとどまっており、人事担当の方からは申し出が少ないというお話を聞くことがよくあります。
従業員の方たちに話を聞いてみると、「何を話せばいいかわからない」や、仕事が多く忙しい人にとっては「めんどくさい」といった声が多く、面談した情報が人事に伝わることで人事評価に影響するのではないかと心配する方もいます。
そこでおススメなのは対象者を抽出した形式ではなく、従業員全員にカウンセリングを受けてもらうものです。
全員カウンセリングであれば、前述のような心理的な負荷なく「みんな受けているものだから」と気軽に受けることができます。
またカウンセリング時には、必ず相談者の方に同意書へのサインをいただきます。
同意書には主に個人情報の取扱いについて記載されており、相談内容は相談者の同意なく会社に共有することがない旨も記載されているため、安心してカウンセリングを受けることができます。

コンサルテーションとは何か

職場環境改善に向けたコンサルテーションでは、従業員の方全員とお話をして総合的にわかった職場の強みと課題を説明し、課題に対しての改善策を提案します。
相談者の中に重篤なメンタルヘルス不調者がいた場合は、その従業員に対する今後の対応についてもアドバイスします。
ストレスチェックでも集団分析というものがありますが、カウンセリングでは従業員の生の声を聴くことができる分、より具体的な分析と提案が可能です。

こんな企業にオススメ!

職場環境改善カウンセリング・コンサルテーションサービスの実施をお勧めする企業は以下のとおりです。
対象は全従業員ではなくても、高ストレス集団や管理職・新入社員のみなど絞ることもできます。

・ 何らかの事案が起こり(労災など)、従業員のメンタルヘルス状態が心配である
・ ストレスチェック実施後、より効果的に対策をとりたい
・ 離職率が高く困っている

休職者が発生した際の損失は、年収600万円の方が3ヶ月した場合、約422万円にもなると言われています。

※求職者対応コストについてはこちらの記事を参照ください。(産業保健新聞「休職者対応コスト」から「休職者予防コスト」へ)

全員カウンセリングを実施するとなると、1人あたり30分~1時間の面談時間をいただくことになり、その分だけ時間や料金はかかりますが、職場環境の改善およびメンタル不調者を早期発見し休職者を発生させないための投資として、ご検討してはいかがでしょうか。
ご興味があればぜひドクタートラストまでお気軽にお問合せください。

<参考>
厚生労働省「平成29年労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況」

保健師からの健康アドバイス ~ お役立ちサイトや資料の紹介 ~

◆ 4分の1の産業医は「勧告」を実施したことがある!

産業医権限の強化と「勧告」

2019年4月に施行された働き方改革法によって産業医の権限強化が図られたのは、多くの方が知っていることと思います。
このうち、産業医が事業主に行う「勧告」についても、労働安全衛生法の改正により、以下の点などが盛り込まれました。

・産業医が勧告をしようとするときは、労働者の健康管理のために有効に機能するよう、事前に勧告内容について事業者の意見を求める
・事業者は勧告の内容、および勧告を踏まえて講じた措置の内容を3年間保存する
・事業者が産業医から勧告を受けたときは、勧告を受けたあと遅滞なく、勧告の内容および、それによって講じた措置を衛生委員会に報告する

この「勧告」について、2019年5月に開催された第92回日本産業衛生学会のフォーラム「産業医の勧告研に関するシンポジウム」では、「産業医の事業所に対する助言、指導、勧告に関する実態調査報告書」をもとにした分析、議論がなされました。
今回はこちらをご紹介します。

勧告を出したことのある産業医は全体の4分の1

シンポジウムでは、「勧告」についての実態が公開されました。
それによると、アンケートに回答した産業医のうち、実に4分の1が「勧告を出したことがある」とのことでした。
また、専属産業医と非専属産業医で比較をすると、勧告を出したことのある専属産業医は19.7%にとどまるのに対し、非専属産業医では37.5%が「出したことがある」とのことでした。

勧告内容は、長時間労働が1位

これらの「勧告」について、具体的に事業者側に求めた措置は、主に以下が挙げられます。

① 面接指導に伴う長時間労働(45.0%)
② 健康診断に基づく就業上の措置(32.5%)
③ 作業環境について(26.6%)

また、勧告の伝達手段は、書面(押印あり、または自分で書いた文書)が61%に上りました。
ふだんの「指導」とは、別の手段を選ぶ産業医が多いようです。

さらに、「勧告」を行うに際しては、事前に協議を行った産業医が61%と圧倒的に多かったようです。
冒頭に記したとおり、勧告を行う前に、事業者に勧告内容の理解、共有を行うことが明文化されました。
今般の「産業医の権限強化」により、産業医からの「勧告」の実行力が高まることを期待します。

お役立ちサイト

・ 本文中に登場する「産業医の事業所に対する助言、指導、勧告に関する実態調査報告書」はこちらよりご覧いただけます。

・ 公益社団法人日本医師会「産業医のひろば」には産業医に関するお役立ち情報が数多く掲載されています。

以下の記事も合わせてご参照ください

産業医からの勧告(産業保健新聞)
え?まだ産業医名義貸し?(産業保健新聞)
衛生委員会、毎回産業医の参加が必要ですか?(産業保健新聞)
産業医にしてもらう業務がない?(産業保健新聞)

 

◆ 歯磨きと舌磨きで、口臭は消えるか?

お口の匂いの判定は、医療従事者が匂いを直接嗅ぐか、もしくは、舌や歯周組織を発生源とする硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドで構成される揮発性硫黄化合物(VSC)の量を測定するかによってわかります。
匂いの大半は、歯垢や舌の汚れが原因です。

歯磨き方法を確認!

しかし、歯垢や舌の汚れについては、磨き残しが多いため、歯ブラシでの歯磨きと舌磨きで完璧に改善することはかなり困難といわれています。
とはいえ、まずは正しい歯磨きスキルを習得することは基本。
日本歯科医師会「歯のみがき方」では、簡単な問診に回答することで、あなたにぴったりの歯の磨き方を教えてくれます。

正しい舌磨き方法

次に舌磨きです。
舌の歯ブラシや舌ブラシによるブラッシングは、ハイレベルのスキルを必要とし、舌磨きの方法によっては、逆に口臭を強めてしまう人もいるくらいです。
下手に磨くと、臭いが出ない状態になっていた硫黄化合物が巻き上げられ、臭いが出る状態に変化して口臭を強めてしまうことも少なくありません。
そこでオススメなのはガーゼを用いた舌のお掃除。
お掃除のポイントは、舌全体を満遍なくガーゼで汚れをかき出すようにし、白いガーゼが黄色に変色しなくなるまで清掃するという方法です。
お口ゆすぎの洗口液は、一時的な効果にとどまりますので、ガーゼお掃除がとにかくオススメです。
口臭が気になっている方は、ぜひお試しあれ!

お役立ちサイト

日本歯科医師会「8020テレビ」は、基本的な歯の磨き方、歯周病対策など、お役立ち動画が満載です。
5分ほどの短いものが多いので、衛生委員会で視聴したり、従業員教育に使ったりできます。
先に紹介した「歯のみがき方」で自分の磨き方をチェックすると、このサイトのオススメ動画を抽出してくれますよ!

ちなみに私事ですが、保健師の先輩がライオン出身だったので、彼女に本当の歯の磨き方を教えてもらいました。
「圧は優しく♪」が彼女の口癖だったことを今でも覚えています。
ライオン株式会社「パパもママもお口のケアを 乳幼児の口腔細菌叢形成に両親の口腔細菌が深く影響」は非常に有益なデータが載っています。
ぜひご参考に!

以下の記事も合わせてご参照ください

歯周病、気づかないうちに進行していませんか(産業保健新聞)
歯周病予防で全身健康(産業保健新聞)
食事直後の歯磨きは避けたほうがいいと言われますが、本当ですか(産業保健新聞)
仕事の成功にもつながる「歯の健康」(産業保健新聞)


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ドクタートラストの実務経験豊かな産業保健師、精神保健福祉士(PSW)が、これまで数多くの企業の衛生委員会運営に携わってきた経験を活かし、衛生委員会の立上げ・運営や、企業の衛生管理全般に関して支援するサービスです。


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