第066号 健康経営

1月の衛生委員会の議題例 健康経営

健康経営とは「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できるとの基盤に立って、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること」です。
今回の資料では、企業が健康経営に取り組むことのメリットや意義から、導入方法まで広く解説しています。
下記URLよりダウンロードできます。ぜひ積極的にご活用ください。

『健康経営』

新連載第2回 福島先生の相談室~職場の困った事例をひもとく ~

■ はじめに
今回は、前回より少し複雑な事例をひもといてみます。

Q【お悩み①】
Cさん(20代男性)はプロジェクトの進捗やチーム同僚の都合もお構いなし、肝心な時期でも自己都合でたびたび休みます。
「自分の能力や頑張りを認めていない」と会社や上司への不満が大きく、抑うつ状態となり休職してしまいました。
今後の復職に向け、どう対応したらよいでしょうか。

A【どうやって改善?】
Cさんに、復職前、どんな心構えで働いているか聞いてみました。
「プロジェクトが立て込んでいたり、期日が迫り忙しかったりするとき、急に同僚が自己都合で休んだらどう思う?」
Cさんは「むかつきます」と答えました。
それを聞いて「同僚もあなたのことをそう思っているかもしれないよ?」と、相手の気持ちを想像させる言葉を伝えたところ、彼は初めて他の人がどんな気持ちを抱えているか気づいたようです。
Cさんの課題は、人の立場になる経験が乏しく、「心理的に未成長」だったのです。
この一言で、復職後のCさんはこれまでの態度が劇的に改善し、「同僚や会社に報いたい。勤怠はできるだけ整えます」と、協調して積極的に業務に取り組むようになりました。

Q【お悩み②】
Dさん(50代男性)は大事な会議にも関わらず、ストンと寝落ちしてしまうことがあります。
仕事が立て込んで疲れがあるのかと心配し、負荷を下げるべく相談しているところなのですが、どうしたらよいでしょうか。

A【どうやって改善?】
Dさんは、生活の様子から病気の可能性があるとわかりました。
そこで「病院を受診してください」と言ったのです。
多忙はもちろんですが、受診の結果、「睡眠時無呼吸症候群」という病気であることがわかりました。
治療の結果、Dさんはすっかり良くなり、寝落ちはなくなったことに加え、バリバリ業務をこなすようになりました。

■ まとめ
いかがだったでしょうか。
業務の生産性向上に影響するものには、心理的未成長や、病気などの可能性もあるのです。

福島満美先生 プロフィール
産業医科大学医学部卒業。
精神科病院や複数の企業で、精神科医、嘱託産業医として勤務し、復職支援プログラム立上げやマネジメントに数多く携わる。
産業医キャリア歴20年。
精神保健指定医。

DTコラム ~ 現場の声 ~

■ 産業医と主治医の違いを今一度おさらいしてみましょう

50名以上の従業員を常時雇用している事業場では、産業医の選任(労働基準監督署への届け出)や毎月1回以上の巡視、衛生委員会の開催などが法律で義務づけられています。
ストレスチェックの実施も2年目を迎え、労働衛生に関する分野はかなり注目されており、労働基準監督署からの指導も厳しさを増している状況です。

労働に起因する事件・事故が発生すると、その内容に関連する業種はチェックの目が厳しくなることで知られていましたが、最近は業種を問わず、臨検が実施されるなど、「残業規制」だけではく「産業医の有無」についても指導に力が入ってきています。
「健康経営」という言葉が広く使われるようになり、「過労死防止」「メンタルヘルス予防」へ社会が動き出している、と考えると産業医の存在は今後かなり重要視されるのではないかと思います。

産業医って何? 普通の医師と何が違うの? といった質問を訪問先のご担当者さまからいただくこともまだまだ多いので、ここで産業医と主治医(病院やクリニックにいる医師)との違いについて説明しておきます。

● 産業医と主治医の違い

主治医=診断・治療をする医師
産業医=診断・治療は行わず、働けるか働けないかを判定する医師

産業医は診察などは行わず、事業場の安全・衛生環境のチェックや、従業員の健診結果を確認し面談を行ったり、メンタルヘルスに関してアドバイスを行うのが主な業務です。
また、復職の際、主治医は職場や業務のことを考慮せず、日常生活が送れるレベルで「復職可」の診断を出すことがありますが、
産業医は、業務内容などを把握したうえで、復職する従業員が会社の求めるパフォーマンスで仕事ができる状態であるかを重視します。

これからの健康な会社作りには産業医の存在は欠かせません。
まだ選任していない事業場があれば、お気軽に相談してくださいね。

また、産業医選任はもちろん健康経営に向けて、保健師セミナーもご依頼が増えてきています。
ドクタートラストでは、定期的に保健師の無料セミナーもやっていますので、ぜひチェックしてみてください!
ドクタートラストの健康経営セミナー

保健師からの健康アドバイス ~ お役立ちサイトや資料の紹介 ~

● ストレスチェック実施後、職場環境改善に取り組んでいますか?

ストレスチェック制度義務化2年目を迎え、すでに実施を終えた企業さまも多いことと思いますが、今年は「いかに職場環境改善に取り組んでいくか」試行錯誤されているところもあるのではないでしょうか。

・ 集団分析結果は見たけれど、その後具体的に何をしていけばよいかわからない
・ 職場環境改善に興味はあるが、コストやマンパワーが不足している
・ 苦労して実施したストレスチェックを無駄にしたくない

こうした企業さまのために、専門家による職場環境改善を実施した場合、負担費用に対して助成金を受けられる制度があります。
この制度は、厚生労働省の産業保健活動総合支援事業の一環として行われています。

ドクタートラストでは医療職によるストレスチェックのフィードバックサービスなどを提供しています。
前記助成金と使うことで、費用負担なく改善に職場環境改善に取組めますので、お気軽にご相談ください。

<参考>
「職場環境改善計画助成金(Aコース)」(独立行政法人労働者健康安全機構)

「「集団分析」の実施率75.3%  ーストレスチェックの実情ー」(産業保健新聞)
「ストレスチェックで判明! 業種別「健康リスク」大発表 ~Part1」(産業保健新聞)
「ストレスチェックでわかること ~健康リスクと高ストレス者の関係~」(産業保健新聞)

● 入浴中の事故死にご注意ください!

家庭の浴槽での溺死者数は、平成27年に4,804人で、ここ11年間で約1.7倍に増加しています。
特に、冬季に多く発生しており、12月~2月にかけて、年間の事故数全体の約5割が発生しています。
多くは65 歳以上の高齢者ですが、若年者も含め、以下の点に留意してください。

・ 飲酒後の入浴は控えましょう。
・ 精神安定剤、睡眠薬などの服用後の入浴は危険ですので注意しましょう。
・ 心筋梗塞、高血圧症、脳血管疾患などの持病のある方は、注意して入浴しましょう。
・ 体調不良時の入浴は避けましょう。
・ 脱衣場、浴室内の適切な温度調節を行いましょう。
・ 特に、冬場、高齢者の入浴時には家族も心配りをしましょう。
・ 一人暮らしの高齢者の方は、特に注意しましょう。
・ 熱い湯、長風呂は危険が増しますので注意しましょう。

また、安全に入浴するため、以下の点に気をつけましょう。

(1)入浴前に脱衣所や浴室を暖める
(2)湯温は41度以下、入浴時間は10分までを目安に
(3)浴槽から急に立ち上がらない
(4)アルコールが抜けるまで、また、食後すぐの入浴は控える
(5)精神安定剤、睡眠薬などの服用後の入浴は控える
(6)いつもより入浴時間が長いとき、同居者が声をかける

<参考>
「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」(消費者庁)

「冬の怖い“ヒートショック”」(産業保健新聞)
「そのウトウト入浴、かなり危険かもしれません。」(産業保健新聞)
「疲労回復に効果的な入浴温度とは?」(産業保健新聞)


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ドクタートラストの実務経験豊かな産業保健師、精神保健福祉士(PSW)が、これまで数多くの企業の衛生委員会運営に携わってきた経験を活かし、衛生委員会の立上げ・運営や、企業の衛生管理全般に関して支援するサービスです。


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