第089号 企業内ハラスメント最新対応例 ハラスメント防止で生産性向上も目指そう!

12月の衛生委員会の議題例  企業内ハラスメント最新対応例 ハラスメント防止で生産性向上も目指そう!

大企業では2020年6月から、中小企業では2022年4月からパワハラ防止関連法が適用されます。
現在、厚生労働省ではパワハラ指針の作成が進められています。
最新のハラスメント動向を学び、生産性向上にも生かしていきましょう。

下記URLよりダウンロードできます。ぜひ積極的にご活用ください。
企業内ハラスメント最新対応例 ハラスメント防止で生産性向上も目指そう!

DTコラム ~ 現場の声 ~

出向社員の不調の把握と予防のために

出向社員とは?健診、ストレスチェックの扱いは?

出向とは、出向元事業主との雇用契約を維持したまま、子会社や関連会社などの他の会社に異動させ、出向先の指揮命令下において勤務してもらうという雇用形態です。
出向には、「在籍出向」と「転籍出向」の2種類があります。
「転籍出向」の場合は、現在在籍している会社(出向元)との労働契約を解消し、出向先の会社と新たに結びます。
一方「在籍出向」の場合は、出向元に籍を置き、労働契約を維持したまま、出向先とも労働契約を結ぶ形になり、一般的に「出向」とは後者の「在籍出向」を指すことがほとんどです。
健康診断の実施については、出向先が担います。
また、ストレスチェックの受検は、労働契約関係のある事業者において行うことになりますが、在籍型出向の際に出向先事業者と出向労働者の間に労働契約関係が存在するか否かは労働関係の実態、すなわち、指揮命令権、賃金の支払い等総合的に勘案して判断することとされています。
集団分析に関しては職場単位で実施することが重要であるため、出向先事業者において、出向者も含めて集団分析を実施することが望ましいとされています。
とはいえ、労働契約関係がある以上、出向元も実施し、出向社員の状態や職場環境について把握できれば安心ですね。

出向社員が不調、責任は誰に?

出向社員が不調になった際、その責任はどこが問われるのでしょうか。
多くの場合は、出向先が安全配慮義務違反の責任を問われますが、出向元も同じように義務を負っているという点から、出向元が責任を負う裁判例も数多く存在します。
出向元は知らぬ存ぜぬではいられません。
出向先の社員の状況やその問題を把握し、不安要素がある場合には迅速に適切な対応をとる必要があります。

不調の予防と把握のために

対面での状況把握がままならない以上、出向社員の情報を収集することは、出向元にとって難しい問題ですね。
出向社員を不調から守るためにはどんな対策ができるでしょうか。

① 疲労蓄積チェックシートの収集

疲労蓄積チェックシートのような健康状態を把握できるものを、月に1回出向社員に提出してもらい、その状況を把握できるようにします。
その中で、気になる状態の社員をスクリーニングし、緊急性の高い方に関しては別途面談の場を設ける等早急に対応できるような環境を整えます。
とはいえ、社員にとって「出向元への提出物=仕事が増える」という印象を与えてしまうのは避けたいと思います。
業務報告書などの提出がある場合は、うまくそちらに組み合わせたりと、社員の負担にならないような工夫が必要です。
チェックシート質問項目例としては、下記が挙げられます。
==================
□ イライラする
□ 不安だ
□ 落ち着かない
□ ゆううつだ
□ よく眠れない
□ 体の調子が悪い
□ 物事に集中できない
□ することに間違いが多い
□ 仕事中、強い眠気に襲われる
□ やる気が出ない
□ へとへとだ(運動後を除く)
□ 朝、起きたとき、ぐったりした疲れを感じる
□ 以前とくらべて疲れやすい
==================
参考:厚生労働省「労働者の疲労蓄積度チェックリスト(本人用・家族用)」

② 帰社日の設定

チェックシートの提出は、状況把握の第一歩として活用できますが、やはり対面での面談であれば、表情や声音、仕草からより正確に情報を収集することができます。
帰社日を設定できるようであれば、その際に人事部門との面談や、場合によっては産業医面談など、直接社員の声を聴く場を設けられると良いですね。

③出向元の情報共有

普段から帰社のタイミングがない出向社員。
出向元となる会社内での新しい制度や人事異動等、何か変化が生じた時、その情報をしっかりと共有することで、出向社員の不安は軽減されるのではないでしょうか。
社外にいる間に置いてきぼりとならないよう、メルマガや社内報等で出向社員が最新の情報を把握できるような環境を整えましょう。

④ 外部相談窓口の設置

日々業務をする中、「相談したい」「話を聞いてほしい」と思うことは多々あると思います。
しかし、社内のこととなると、相談する相手を選ぶ必要があったり、場合によっては相談すること自体を断念することも……。
そんな時、なんでも相談にのってくれる窓口があれば良いなと思いませんか。
設置する場合には、相談者が利用しやすいように、利用方法を明確にする等工夫が必要です。
ドクタートラストでも、外部相談窓口サービス「アンリ」で電話やメールでのご相談に対応しております。
また、相談内容は、相談者の了承が得られた範囲で会社側へフィードバックさせていただき、報告書としてご提出させていただきます。
こちらを参考に、必要があればその改善に役立てていただければと思います。

外部相談窓口サービス[アンリ]の詳細はこちらをご参照ください。
サービスお問合わせ、ご相談はお気軽にどうぞ。

出向社員を守るために

出向社員の不調に対して、予防や対策等を紹介しましたが、やはりすべてにおいて出向先、出向元の両者の理解がとても大切になります。
働く場所、雇用関係に関係なく、みんなが快適に過ごせる職場作りが促進されると良いですね。

以下の記事も合わせてご参照ください

出向社員の健康管理―どうする?産業医面談や健康診断―(産業保健新聞)
「出向社員」に対する安全衛生管理(産業保健新聞)
労災が発生!衛生管理者は処罰を受けるか?(産業保健新聞)


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