11月の衛生委員会の議題例 ~ 海外勤務者の健康管理について ~
海外勤務者に関しては、感染症やメンタルヘルスなど、国内勤務者以上に配慮すべき点が多いと考えるべきです。
そこで今回は、「渡航前の準備」と「渡航後の注意」の大きく2つのポイントについて解説します。
海外勤務者が1人でも在籍する部署のご担当者は、ぜひご一読いただき、対策を検討いただければと思います。
下記URLから資料をお使いいただけます。
『海外勤務者の健康管理について』
DTコラム ~現場の声~
産業医と主治医の違いは何か?
多くの企業担当の方々からお問い合わせをいただくこのテーマを、今回はご説明させていだきます。
■目的の違い
産業医は産業保健の現場での医師であり、医学的分野では「産業医学」に分類されます。
産業医学とは、産業活動のなかで労働者の健康を維持するための学問であり、病気になる前段階での健康増進(=予防)が主たる目的です。
一方、主治医とは、患者の疾患の診療方針全般に対して主たる責任を有する医師を指し、病気になった後の治療を行うことが仕事です。
すなわち、産業医と主治医とでは、仕事の目的や役割が大きく異なります。
■医療行為ができる場所は?
医療行為は、病院(20床以上)、診療所(無床~19床)、介護老人保健施設など、許可を受けた「医療提供施設」でしか認められていません(医療法第1条)。
よって、許可を受けていない企業内では、産業医に医療行為を依頼することはできません。
■医療行為の範囲は?
医療行為とは、医療従事者のみ行うことが認められている治療や処置、投薬などを指します。
企業の方からたびたび受け付ける相談のなかに、「産業医にインフルエンザの予防接種を行ってほしい」「病名を診断してほしい」といったものがあります。
結論としては、それらの行為は行えません。
前述の通り、医師が医療を行える場所は限定されているからです。
産業医が担当するのは、労働安全衛生法第13条に基づく「労働者の健康管理等」の業務です。それは健康管理、作業環境管理、作業管理、労働衛生教育といった分野であり、臨床的な医療業務とは一線を画していることをご理解ください。
ストレスチェック制度も開始され、労働者の健康管理にこれまで以上に注力することが求められる時代となりました。
医師の役割を理解し、協力を仰ぎつつ安全衛生体制を構築し、労働者にとって働きやすい職場環境を整備することが必要不可欠になっています。
保健師からの健康アドバイス ~ お役立ちサイトや資料の紹介 ~
□ノロウイルスに感染! 出勤しても大丈夫?
11月も目前となりましたが、この時期に気を付けなければいけないのが「ノロウイルス」です。
一般的には生カキなどの食品を介して感染することが有名ですね。
発症すると、嘔吐、下痢、腹痛といった症状があらわれます。
感染力が非常に強いノロウイルスですが、法律では出勤停止期間が定められていません。
「じゃあ出勤してもいいのか?」というと、集団感染のリスクがあるため、安易に出勤することは危険です。
症状自体は数日でなくなりますが、感染力は1週間程度継続するとされています。
したがって目安としては、症状が消失してから48時間以上経過してからの出勤がよいでしょう。
「感染症は自身の健康だけでなく、周囲の方にも影響がある」という意識を持つことが大切ですね。
■国立感染症研究所感染症情報センター「ノロウイルス感染症とその対応・予防(家庭など一般の方々へ)」
□気温が下がると、血圧は上がります!
秋も深まり、一気に寒さを感じるようになってきました。
そんなこれからの寒い季節に注意したいのが高血圧です。
気温が低下すると、血管が収縮するため血圧が上昇します。また、運動不足になりがちで、その結果、体重の増加⇒血圧上昇につながっていきます。
冬が近づくにつれて血圧コントロールが難しくなってくるため、血圧が気になる方は健康的な生活習慣をより意識していく必要があるでしょう。