12月の衛生委員会の議題例 突然死について
突然死とは、瞬間死あるいは急性症状の発現後24時間以内の死亡で、外因死を除いた自然死のことです。
今回の資料では、突然死の原因となる主な疾患について、その前兆や企業でできる対策を説明しています。
下記URLよりダウンロードできます。ぜひ積極的にご活用ください。
新連載 福島先生の相談室~職場の困った事例をひもとく ~
■ はじめに
あなたの職場に、たとえば、無断欠勤、遅刻、無愛想、居眠り、私用インターネットなど、ちょっと困った人はいませんか?
彼らに対して「何とかしたい」と思いつつも、「気合が足りない」「最近の若者は根性がない」「これだからゆとり世代は……」と精神論を言っているだけではないでしょうか。
しかし、論理的方法のもと、ほんのちょっと言葉をかけるだけで、事態が劇的に改善することがあります。
この連載では、そんな事例をQ&A形式で3回にわたりご紹介します。
「頑張ってねと言っちゃいけない」、「~だったら、この一言」のようなマニュアル対応ではありませんのでご安心を!
Q【お悩み①】
当社の始業時刻は9時ですが、Aさん(30代男性)は、たびたび遅刻をします。
もっともたびたび遅刻をするといっても、10分から15分ほどのことなので、非常に困るわけではありませんが、ほかの社員の手前、朝っぱらからケジメもつかず士気にも影響します。
上司が理由を尋ねてみても「頭痛で……」「電車が遅れて……」「トイレ……」などと言います。
どうしたら彼の遅刻はなくなるでしょうか?
A【どうやって改善?】
Aさんに話を聞くと、「9時に来いと言われていなかったから」と回答がありました。
彼の課題は、始業時刻までに出社するという「社会常識を知らないこと」だったようです。
そこで「始業前に出社して準備を整え、業務は9時から開始」と伝えたところ、始業前に出社して準備を整え、9時から業務を開始するようになりました。
Q【お悩み②】
Bさん(20代男性)は、昼休み後、毎日居眠りをしてしまいます。
話を聞いてみたところ、どうやら毎晩夜更かしをしているようで、それが居眠りに影響していると思われますが、本人は夜更かしと居眠りの関連にピンときていないようです。
業務にも支障が出ますし、どうしたらよいでしょうか。
A【どうやって改善?】
Bさんの課題は、自分の体調ひいては業務パフォーマンスに対する、食事や睡眠などといった「生活習慣」の影響を知らないことです。
これは、昨今の若手社員にありがちな傾向です。
そこで夜更かしと居眠りの関連が目で見てわかるように、「生活リズム表をつけましょう」と伝えました。
Bさんは、表を見ることで業務パフォーマンスと生活習慣の関連に気づきました。
これによってBさんは早寝を心掛けるようになり、業務中の居眠りがなくなりました。
※ 生活リズム表は、メンタルヘルスマネジメントのため、医療機関は当然ですが、導入している企業が増えています。
■ まとめ
いかがだったでしょうか。
聞いてびっくり、こちらの思う「当たり前」や「常識」を、驚くほど知らないということがあるものです。
福島満美先生 プロフィール
産業医科大学医学部卒業。
精神科病院や複数の企業で、精神科医、嘱託産業医として勤務し、復職支援プログラム立上げやマネジメントに数多く携わる。
産業医キャリア歴20年。
精神保健指定医。
DTコラム ~ 現場の声 ~
■ 具体的な働き方改革に向けて2,137億円の投入
去る9月28日、厚生労働省「中小企業・小規模事業者の働き方改革・人手不足対応に関する検討会」は「中小企業・小規模事業者における「働き方改革」実現に向けた対策(案)」(以下、「対策案」)を公表し、中小企業・小規模事業者が「働き方改革」に前向きに取り組むことができるよう、2,137億円を投入する方針を示しました。
「働き方改革」は、女性、若者、高齢者等、誰もが生きがいを感じられる「一億総活躍社会」実現の最大の鍵とされています。
そして、女性、若者、高齢者等の活躍をさらに進めていくためには、
・ 長時間かつ硬直的な労働時間
・ 正規雇用労働者と非正規雇用労働者の不合理な待遇差
を解消するとともに、労働生産性の向上や女性、若者の人材育成等が必要とされています。
わが国の雇用は7割が中小企業・小規模事業者で占められています。
そのため、「働き方改革」は、中小企業・小規模事業者において着実に実施することが必要不可欠です。
● 中小企業・小規模事業者における「働き方改革」実現に向けた対策の5本柱
対策の方向性として、対策案では下記5つの方針が示されています。
1.「働き方改革」の理解を図り、相談に応じ、支援を届ける体制の強化
2.「働き方改革」実現に向けた社内環境整備等の支援
3.「働き方改革」実現に向けた取引条件改善や生産性向上のための支援
4. 人手不足への対応の支援
5. 業種別の取組
上記のとおり、労務管理や人手不足に関する相談体制を強化するだけではなく、取引条件改善や生産性向上といった支援も含まれていることがわかります。
● 対策案における具体策(一部抜粋)
・ 「働き方改革」の理解促進と相談支援体制の強化(71億円)
47都道府県に「働き方改革推進支援センター(仮称)」を設置し、労務管理等の専門家による個別相談支援を実施するほか、各地域の商工会・商工会議所・中央会やよろず支援拠点等とも十分な連携を図り、支援を必要とする中小企業・小規模事業者に対応する。
・ 時間外労働の上限規制への対応など長時間労働の是正(32億円)
社内環境改善に関しては、時間外労働の上限規制に対応するため、就業規則の見直し、タイムカードの導入等を行う中小企業や、傘下企業を支援する中小企業団体に対して助成を行う。
・ 産業医・産業保健機能の強化(45億円)
社内の産業保健活動の推進としては、全国の産業保健総合支援センターにおける産業医・保健師などによる訪問指導の拡充。
産業保健関係者や事業者向け産業保健研修の充実等により、中小企業等の産業保健活動を支援。
対策案では日本雇用の核となる約7割を占める中小企業・小規模事業者を対象とした具体策が出されています。
加えて、手続きが面倒、煩雑という理由から実施されない事態を防ぐために事務負担にも配慮し、ワンストップの施策を目指しているようです。
知っている人だけが得する施策ではなく、誰にとってもわかりやすく、利用しやすい制度の整備に今後も注目していきたいと思います。
<参考>
・ 「中小企業・小規模事業者における「働き方改革」実現に向けた対策(案)」(厚生労働省)
保健師からの健康アドバイス ~ お役立ちサイトや資料の紹介 ~
● 全国糖尿病週間(今年は11/13~11/19)
11月14日は、世界糖尿病デーでした。
また、この14日を含む1週間を「全国糖尿病週間」とし、糖尿病に関する知識と理解を含め、その予防と早期発見・治療を促進するためのさまざまな啓発活動が全国で催されます。
皆さんは、糖尿病という疾患にどのようなイメージをお持ちでしょうか?
「糖尿病が強く疑われる者」の割合は、約1千万人と推計され、平成9年以降増加しています。(平成28年国民健康・栄養調査)
また、世界の糖尿病医療費は年間90兆円に上り、日本は8兆円で世界第7位に位置しています。(2016年ランセット発表)
そのほか、糖尿病情報最前線や、各種統計・調査結果はこちらをご覧ください。
・ 糖尿病ネットワーク
・ 糖尿病リソースガイド
■「味噌汁で糖尿病予防」(産業保健新聞)
■「コーヒーで糖尿病発症抑制!?」(産業保健新聞)
■「血糖値の「再検査」放置していませんか?」(産業保健新聞)
● 年末年始は体重増加、血糖コントロールに要注意
12月は、クリスマスや忘年会等飲み会の多いシーズンです。
暴飲暴食の機会が増え、たくさんの料理が並ぶと、つい早食いやだらだら食いをしがちになるのではないでしょうか。
食べ過ぎ・運動不足から体重増加や血糖コントロール不良となる方が増える年末年始。
米国糖尿病学会(ADA)は、こうした年末年始を健康的に過ごすため、以下の対策をとることをアドバイスしています。
1. 年末年始をどう過ごすか計画を練る
2. 運動を続ける
3. 食事はシンプルに健康的に
4. 食べ過ぎたカロリーを運動で燃焼するのは大変
5. 自分が何を食べたいのか考えよう
6. 植物繊維を十分に摂る
7. ストレスをためない
8. 体重を毎日はかる
4については、そもそもの食べ過ぎを防ぐため、空腹で飲み会・パーティーへ参加しないこと、低糖質のものを軽く摂って参加することをお勧めしています。
これからの季節、ぜひ参考にしてみてください。
■「クリスマスケーキの選び方」(産業保健新聞)
■「年末年始で疲れた胃をいたわる」(産業保健新聞)
■「非アルコール性脂肪肝」(産業保健新聞)