9月の衛生委員会の議題例 救急処置~心肺蘇生法、止血、骨折~
脳・心臓・血管系の突然死が職場で発生した場合、労災認定される可能性が極めて高いです。
同僚、上司、部下が目の前で倒れたら、うろたえずに救急処置できる自信はありますか?
下記URLよりダウンロードできます。ぜひ積極的にご活用ください。
DTコラム ~ 現場の声 ~
■BCP/BCMを策定しましょう
BCP、BCMをご存知でしょうか?
(1) BCP:事業継続計画(Business Continuity Plan)
企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合に、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。
(2) BCM:事業継続マネジメント(Business Continuity Management)
リスク発生によって生じる事業の中断に対し、必要なサービスレベルを戦略的に決定し、事業の継続を確保する経営管理手法のことです。
■ 具体例
たとえば、大地震によって電力供給がストップしてしまったら……。
事業継続が困難になってしまうことは、容易に想像できるでしょう。
そうしたときのことを想定し、あらかじめ自家発電機を用意しておくなども、BCP対策のひとつです。
リスク(大規模災害など)に見舞われた場合、すべてに対して平時と同じ環境で対応するというのは、難しいことです。
「ここまでは後回しにしても、ここだけは守る」といった取捨選択が必要になってきます。
また、管理監督者が迅速に出社し、指示出しをして乗り切る、といったことができれば何よりですが、それができる保証はありません。
そのため、管理監督者が不在であっても対応できるような、ルール・マニュアルをあらかじめ策定しておきましょう。
■ BCP、BCMの策定を
今年は6月に大阪北部地震、次いで平成30年7月豪雨が発生しました。
いつどのような災害が発生しても不思議ではありません。
災害に直面しでも慌てふためくことがないように、BCP、BCMを策定しておくことを強くお勧めします。
BCP、BCMを策定するためには、情報収集・入念な準備が必要となります。
その第一歩として、衛生委員会などを通じ、リスク発生時には何を優先すべきか? といった議論をされてみてはいかがでしょうか。
【リスクの例】
疫病、地震、火災、洪水、サイバーテロ、サボタージュ(内外の脅威)、台風または大きな嵐、停電、テロリズム、窃盗(内外の脅威、重要な情報及び物品)、基幹システムの偶発的故障など
★また、BCP、BCMの策定と合わせて、「防災対策」もお忘れなく!
「衛生委員会ハンドブック」では衛生委員会資料「企業の防災対策」を公開していますので、ご活用ください。
「企業の防災対策」(衛生委員会ハンドブック)
<参考>
・ 「中小企業BCP策定運用指針」(中小企業庁)
■ 「策定していますか、BCP」(産業保健新聞)
■ 「オフィスの災害対策を2つの視点からみる」(産業保健新聞)
保健師からの健康アドバイス ~ お役立ちサイトや資料の紹介 ~
9月10日は世界自殺予防デーです
●「経済・生活問題」に次ぐ「勤務問題」
WHO(世界保健機関)は、9月10日を世界自殺予防デーと定めています。
年間2~3万人以上の自殺者が出ている日本でも、9月10~16日の1週間は自殺予防週間と設定されており、自殺に対する啓発活動やキャンペーンが行われます。
●「勤務問題」は原因の4位
平成29年の調査によると、「勤務問題」のなかでも、「仕事の疲れ」や「職場の人間関係」が原因として挙げられています。
「働き方改革」が取り上げられる昨今、勤務環境の改善や一人ひとりの意識を変えることで、自殺者を減らすことにつながるのではないでしょうか。
●いのちより大切な仕事はない
ある遺族の方のお言葉に「いのちより大事な仕事はない」とありました。
一緒に働いている皆さん自身も、忙しさに追われ、SOSを出している方の小さな変化に対し「気づき」ができないこともあります。
また、その状況で一生懸命頑張っているあなた自身も、もしかしたら未来の自殺者になってしまうおそれがあるのです。
仕事に対して、程よい「使命感」や「やりがい」を感じることは重要です。
しかしながら、仕事がうまくいかないときやミスしたとき、「この先、やっていけるかな」、「もう無理だ」と悲観的になることもあるでしょう。
もしくは「周りはこれだけできているのに」、「もっと、もっと頑張らなくては」と無理やり過度に自分を追い込む状況に陥ってしまうことも見られがちです。
忙しい毎日のなかで、まずは自分を「褒める」、相手を「褒める」といった行動を少しずつとってみてください。
ちょっとしたあなたの行動が、「皆で一緒に働く」環境への一歩につながります。
<参考>
・ 「自殺の統計:各年の状況」(厚生労働省)
・ 公益社団法人日本WHO
・ 国際自殺予防協会
■ 「気づきたい自殺企図者のSOS」(産業保健新聞)
■ 「持ち帰り残業により自殺したケースの労災認定」(産業保健新聞)
仕事と不妊治療の両立を目指して
●仕事との両立
不妊治療は、「高額の医療費の負担」「周囲のサポートがない」など、さまざまな悩みが付き物で、その中には「仕事との両立」も挙げられます。
ある調査会社が、仕事と不妊治療の両立についてのアンケートを行ったところ、約9割が「仕事との両立は難しい」と答えたそうです。
●費用面、時間面の負担
人工授精や体外受精・顕微鏡受精など、不妊治療の方法は複数ありますが、いずれも健康保険が適用とされないため、高額となってしまいます。
また、個人の体質や薬との相性、卵子の育つタイミングなどに合わせて通院日が決まります。
このような理由から、通院日が多くなってしまうことや、急な通院が必要となる場合もあります。
●なかなか周りに打ち明けられない
さらに不妊治療はデリケートなことでもあるため、大々的に「不妊治療しています」と周囲へ公表する方は、少ないのが現状です。
「これ以上、仕事に穴があけられない」、「急に休んだ次の日、周囲の目が気になり会社に出社しづらい」などといった理由から、転職や退職するケースが起きています。
この様な現状を鑑み、仕事を続けながら不妊治療を続けてもらおうと、国や市町村、企業で少しずつ企業からの助成金や休暇・医療費控除などの取り組みが行われはじめつつあります。
●パートナーはもちろん、職場のサポートも不可欠
皆さんの職場での取り組み状況はいかがでしょうか。
不妊治療は、パートナーはもちろん、職場の方のサポートや理解が不可欠となります。
これを機会に、仕事と不妊治療の両立について考えてみてはいかがでしょう。
<参考>
・ 「東京都特定不妊治療費助成の概要」(東京都福祉保健局)
・ 「仕事と不妊治療の両立について」(厚生労働省)
■ 「仕事と妊活」(産業保健新聞)
■ 「働く女性が知っておきたい!妊活Q&A」(産業保健新聞)