6月の衛生委員会の議題例 健康情報の取扱について
今年の4月から、企業は「健康情報取扱規程」の策定が義務づけられることになりました。
今回は、規程で定めるべき事項から運営方法までを説明するとともに「健康情報」の扱い方をご説明します。
下記URLよりダウンロードできます。ぜひ積極的にご活用ください。
「健康情報の取扱について」
DTコラム ~ 現場の声 ~
私はストレスチェック実施事務従事者として、2018年度に多くの企業・官公庁のストレスチェックに携わりました。
そのなかで「集団分析の見方」について多くの質問をいただいたので、今回はQ&A形式でご紹介します。
集団分析Q&A
Q1 集団分析結果の数値は何が基準になっているのですか
「全国平均を100」として結果を算出しています。
たとえば、健康リスクAの数値が120だった場合、健康問題(心理的ストレス反応等)が平均の1.2倍発生しやすいと考えられます。
Q2 健康リスクA(またはB)が悪かったのですが、どういった影響があるのでしょうか
集団分析では4つの尺度(仕事の量とコントロール、上司・同僚の支援)から分析を行っているため、1つの要因だけでストレスが高い・うつになるリスクが高いといった断定をすることはできません。
Q3 どの箇所が悪いのかはわかりました。しかし、結果を受けてどうしたら良いのでしょうか
重視してほしいのは「総合リスク」です。
分析の見方がわからない方は以下の流れを参考にしてみてください。
・総合リスクを見る ⇒ 平均よりも高いと出ている
・健康リスクA・Bを見てどちらが原因なのかを比較 ⇒ 健康リスクAのほうが高い
・健康リスクAをもとに状況を確認 ⇒ 繫忙期や業務内容が理由ですぐに取りかかるのは難しい
・職場の状況を踏まえたうえで、取りかかることができるところ(この場合だと健康リスクB)をまずは減らすようにして、結果的に「総合リスク」をできるだけ減らすようにしていく
このように考えてみると、職場環境改善策が見えてきませんか?
結果と現状を照らし合わせてできることから取り組んでみてください。
職場環境改善のための集団分析結果
職場環境に関する課題や対策は企業によってさまざまであり、その時々の状況等にも結果に大きく影響します。
決まった1つの答えがないので、ストレスチェック制度は理解が難しく、「とりあえずやっている」という企業もまだまだ多いのではないでしょうか。
「職場環境改善に取り組みたいけれど、どうしたらいいのかわからない」
そんな企業にとって役立つのが集団分析結果です。
前記Q3でご説明した手順を踏むと、「職場環境改善のヒント」がきっと見つかると思います
ドクタートラストなら、ハラスメントやワークエンゲージメントまで調べられます
今回は、従来の57問版ストレスチェックにおける集団分析をもとにお話をしました。
現在ドクタートラストでは「80問版ストレスチェック」を推奨しています。
80問版では、従来の設問に加えて、「ハラスメント」や「ワークエンゲージメント」に関する設問が増え、これまでは見えてこなかった会社の弱点がわかるようになりました。
優先して取り組むべき改善や満足度分析も追加され、より職場環境改善に取り組みやすくなっています。
50人以上の事業場では義務となっているストレスチェック。
せっかく時間とお金をかけて行うのなら、意義のあるものにしませんか?
お問合せ、ご相談はいつでもお気軽にどうぞ!
80問版の特徴はまだ57項目?ストレスチェックで80項目版を推奨する実践的理由の記事を参照ください。(産業保健新聞)
保健師からの健康アドバイス ~ お役立ちサイトや資料の紹介 ~
原則無料! 働き盛り世代の男性を対象とした風しんの抗体検査・予防接種が始まりました
厚生労働省は、風疹の流行を防ぐため、特定の年代に生まれた男性を風しんの定期接種の対象とする追加対策を公表しました。
■ 追加対策の概要
2022年3月31日までの間に限り、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日の間に生まれた男性が、風しんの定期予防接種の対象者となり、2022年3月31日までの間に限り、抗体検査を含めた費用が原則無料になります。
【ポイント】
(1)3年間、全国で原則無料で定期接種を実施
(2)ワクチンの効率的な活用のため、まずは抗体検査を受けてもらう
(3)事業所健診の機会に抗体検査を受けられるようにするほか、夜間・休日の抗体検査・予防接種を実施
■ 追加対策の背景
風疹の定期接種は現在、男女ともに幼児期に計2回実施していますが、当初、女性だけをワクチン接種の対象としており、昭和37年4月2日~同54年4月1日に生まれた39~56歳男性は定期接種の機会がありませんでした。
そのため、抗体保有率が他の世代は90%程度に対して80%程度と低く、2018年の風しん患者の中心になっていました。
厚生労働省はこの年齢層への予防接種を公的な定期接種に位置づけ、まずは抗体検査を受けてもらい、免疫が十分でないと判明した人にワクチンを接種します。
費用はいずれも原則無料とし、企業の定期健診などに合わせて検査が実施できるよう体制の整備も進めており、以下のような目標を設けています。
【目標】
(1)2020年7月までに、対象世代の男性の抗体保有率を85%に引き上げる
(2)2021年度末までに、対象世代の男性の抗体保有率を90%に引き上げる
<参考> 厚生労働省「風しんの追加的対策について」
※ 以下の記事も合わせてご参照ください
予防接種を受ければ安心か―風疹とワクチン― (産業保健新聞)
風しん、流行しています!(産業保健新聞)
風疹になったら出勤停止?(産業保健新聞)
年次有給休暇取得が義務づけられました
年次有休休暇は、労働者の心身のリフレッシュを図ることを目的として、労働者が請求する時季に与えることとされています。
2019年4月から、すべての使用者に対して企業が「年5日の年次有給休暇の確実な取得」をさせることが義務づけられました。
なぜ義務化されたか
年次有給休暇は、前述のとおり労働者の心身のリフレッシュを図ることを目的に設けられているものの、取得率が低調な現状にあり、この点が課題になっていました。
そこで2019年4月に改正労働基準法が施行され、労働者に年5日以上の年次有給休暇を取得させることが義務づけられることとなったのです。
改正のポイント
ここでは改正のうち、絶対に押さえておいてほしい2つポイントをご紹介します。
◎対象者は、法定の年次有給休暇付与日数が10日以上のすべての労働者(管理監督者を含む)に限ります。
◎労働者ごとに、年次有給休暇を付与した日から1年以内に5日について、使用者は「労働者自らの請求・取得」、「計画年休」および2019年4月から新設される「使用者による時季指定」のいずれかの方法で労働者に年5日以上の年次有給休暇を取得させる必要があります。
詳細は以下のサイトで!
厚生労働省では、「働き方改革特設サイト」を設け、各種情報を提供しています。
厚生労働省「働き方改革特設サイト」
また、以下の記事もぜひ参考にしてください。
有給休暇取得率の低い企業こそ読んでほしい~取得率向上につながる5つの秘訣~(産業保健新聞)
待ったなし! 年5日間の有給休暇が義務に(産業保健新聞)