第067号 血圧〜喫煙との関係・ヒートショック〜

2月の衛生委員会の議題例 血圧〜喫煙との関係・ヒートショック〜

過労死として労災の認定を受ける疾患の虚血性心疾患・脳血管疾患は、日本の死因順位2位と4位の疾患に含まれ、血圧に深く関連している疾患です。
今回は、血圧にまつわる解説や高血圧対策の他、暖かい場所から寒い場所への移動などによる温度の急な変化がからだに与える「ヒートショック」について解説しています。

下記URLよりダウンロードできます。ぜひ積極的にご活用ください。

『血圧〜喫煙との関係・ヒートショック〜』

新連載第3回・最終回 福島先生の相談室~職場の困った事例をひもとく ~

■ はじめに
今回は、DTニュース読者の方からいただいたご相談をひもといてみます。
ご質問頂いた事例ですので、実際にそうかはわかりませんが、考えられる「課題」を挙げてみます。
この「課題」を見極めることが何よりも重要です。

Q【お悩み①】
新入社員のEさん(20代女性)は上司への態度や言葉遣いがあまりよくありません。
また、自分がやりたくない仕事をわりあてられとき、それが表情に露骨に出てしまい、職場の雰囲気が悪くなります。
どう指導したらよいでしょうか。

A【どうやって改善?】

このメールの文章からEさんについて考えられる「課題」は以下のようなことです。

・ 言葉遣いや態度などといった「社会常識」を知らない
・ 新入社員が何を期待されているか知らない
・ 好きな仕事だけやれると思っている
・ 感情をコントロールできない
・ 感情が顔に出ていると気づいていない
・ 上司が怖い
・ 体調が悪い

Eさんの課題はどれにあたるのか、他にもないか、本人と一度話をしてみてはいかがでしょうか?

Q【お悩み②】

Fさん(30代男性)は、頼まれた仕事について「●月●日までにやります」と答えてくれるのに、実際はいつまでもやりませんし、途中経過も報告してくれません。
どうしたらよいでしょうか。

A【どうやって改善?】
このメールの文章からFさんについて考えられる「課題」は以下のようなことです。
Fさんの場合、もしかしたら「自分ではできているつもり」でいるのかもしれません。
また、わからないことがあるにも関わらず、相談ができないのかもしれません。
もしかしたら、他にイヤなことや悩みがある可能性もありますね。
Eさん同様、実際に話を聞いてみる必要があります。

■ まとめ 〜 改善の秘密 〜
改善させる秘密、それは指導方法や対応方法に先立ち「課題を明らかにすること」です。
課題が明らかにならない限り、永遠に的外れの対応を繰り返すことになります。
これまでご紹介した事例におけるそれぞれの課題を振り返ると、遅刻常習犯のAさんは「社会常識を知らない」、居眠りばかりのBさんは「生活習慣の無知」、自己都合で休む一方、会社が自分を認めてくれないと休職したCさんは「心理的未成長」、会議で寝落ちのDさんは「病気」でした。
彼らにかけた一言は、まさにその課題にピンポイント対応であり、それゆえ事態が改善したのです。
ただ、本人たちは目線が低く、自力で自分の課題に気づくことはなかなかできません。
課題が明らかになるよう指導者側が導くしかありません。
たくさんあって、指導者ですら途方に暮れそうですが、実はそうでもありません。
個々人における課題というのは、たとえ多くても3つ程度に過ぎないからです。

■ おわりに
皆さんの参考になったでしょうか。
事例を実際にひもとき、課題を明らかにしていく過程を体験してみませんか。

■ お知らせ
福島先生の無料セミナー第1弾満席御礼! 第2弾開催決定!
精神科医・産業医として20年超のキャリアを誇る福島満美先生が臨床現場を通じて、職場でなぜ人がつまずき、どう成長するか、そのメカニズムを明らかにしました。
これをGRAPESチャートといい、精神医学、認知・発達心理学、産業精神保健学、脳の機能などをベースとしています。
GRAPESチャートを理解することは、部下への指導力向上、ひいては部下の業務パフォーマンスアップにつながります。
無料セミナーにおいては、まずは福島先生の講義を受けていただき、その後、皆さんに持ち寄っていただいた「職場の問題」について、福島先生とともにカンファレンス形式で鮮やかに紐解き、
課題がどこにあるのかを探っていきます。
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第1回目(2月14日開催予定)は、ご案内から早々に満席となりました。
第2回目は、3月14日に開催いたします。

詳細・お申込みは、下記ご案内ページをご覧ください。

■ 福島満美先生「GRAPES無料セミナー」

福島満美先生 プロフィール

産業医科大学医学部卒業。
精神科病院や複数の企業で、精神科医、嘱託産業医として勤務し、復職支援プログラム立上げやマネジメントに数多く携わる。
産業医キャリア歴20年。
精神保健指定医。

連載第1回、第2回は「産業保健新聞」でご覧いただけます。
・連載第1回
・連載第2回

 

DTコラム ~ 現場の声 ~

■ 「褒める」ことは人を成長させる

大手広告会社の電通で女性社員が過労自殺した問題では、長時間労働ばかりが注目されていますが、報道された女性社員のSNSの投稿を見ると、「女子力がない」「残業時間はムダ」「髪ぼさぼさで出勤するな」など、上司の言葉からは彼女の頑張りを褒めるような言葉は一切なく、いわゆる「ダメ出し」のような言葉ばかりが並んでいました。
このようなハラスメント行為が蔓延すると、被害者の精神的ストレスとなるだけでなく、業務の生産性も著しく低下させ、結果的に企業の業績低下を招く一因ともなりえます。

もちろん、自分の不注意で招いたミスであればきちんと反省し、同じことを繰り返さないよう心がけることが大切です。
しかし、悪いところばかり見て叱責だけをするのではなく、頑張っていることに対してはきちんと「褒める」ことを定着させると、当人もモチベーションが上がり、コミュニケーションも活性化され、ひいては業務の生産性向上へと繋がります。

そんな「褒める」仕組みを定着させた、とある企業での取り組みを以下にご紹介します。

㈰褒める時は、なるべくたくさんの人がいる前で!
たくさんの人がいる前で自身の頑張りが評価されることは大変誇らしく、その後のモチベーションもより高まります。
また、それを聞いた人たちへも「自分も見習って頑張ろう」と刺激を与えることができます。

㈪グッド・ジョブカードの導入
お互いの仕事について良いと感じたことや、日頃の感謝や激励の気持ちなどをカードに書いて贈り合います。
カードであれば、なかなか面と向かって言いづらいことも伝えやすいのではないでしょうか。

このような「褒める」という文化を定着させるのは、なかなか難しい……と感じることもあるかもしれません。
しかし、そのような時こそ、管理職の方に率先して部下を「褒める」ということを進んで実行していただき、
「褒める」という文化を広め、職場環境の活性化に努めていただきたいと思います。

 

保健師からの健康アドバイス ~ お役立ちサイトや資料の紹介 ~

● 年末年始で体重増加!?急な体重増加による影響

皆さん、年末年始は忘年会、新年会、正月と食べたり飲んだりすることが多かったと思います。
今年になって体重計に乗りましたか?
新しい1年を有意義に過ごすには健康が第一です。
急激な体重増加は健康に影響します。

□ 現在の体重を知りましょう!
① ボディマス指数を調べましょう
肥満の判定基準としてBMI(ボディマス指数)が活用され、25以上が肥満とされています。
BMIの計算方法=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

② 体重の増減を調べましょう
通常、体重の変動は1日のなかでも1〜2kgはあるものです。
目安として1ヶ月以内の増減が体重の5%以内であれば、心配しなくても大丈夫です。
たとえば、体重50kgの人の場合、現体重から±2.5kg以内ということになります。

□ 暴飲暴食による身体への影響
① 胃腸や肝臓に負担がかかる
消化機能が低下し、胃痛や胃もたれ、便秘や下痢などを引き起こします。
消化機能低下で体調不良や疲労感につながります。

② 生活習慣病を促進させる
暴飲暴食をすることで、糖や悪玉コレステロール、中性脂肪が消化吸収されず、生活習慣病である高血圧や肥満、糖尿病を促進させます。

③ 老化の促進
糖の過剰摂取で身体のたんぱく質と血液中の糖が反応し、老化促進物質が作られる。
肌に影響すると、しわやたるみにつながります。

摂取カロリーの見直しや、油物を控えること、食べ方として血糖を急激に上げないような食べ方(野菜・海藻・きのこ→肉・魚→炭水化物)、適度な運動を心がけ、体重のコントロールを行いましょう。

<参考>

「【保存版】『正月太り』完全克服ガイド」(産業保健新聞)
「食べる順番は・・・?」(産業保健新聞)
「ダイエットに生かす認知行動療法」(産業保健新聞)

● 身体の冷え対策をし、寒い季節を乗り越えましょう!

寒さも増し、手足の先の冷えを感じやすくお困りの方もいらっしゃるかと思います。
体が冷えると手足の先の症状だけでなく、腰への痛みや、頭痛、下痢などの症状が出現することもあります。
キリン食生活文化研究所の調査によると、冷えを感じたことがある人は91.4%であり、その中でも「いつも冷えを感じている」、「冷えを感じることが多い」人は55.6%だったとのことです。
冷えの原因を知り、対策を行うことで、寒い季節を乗り越えましょう。

□ 冷えの原因とそれぞれの改善方法
【自律神経の乱れ】
自律神経の乱れの原因にはストレスや不規則な生活、睡眠不足などがあります。
自律神経を整えるために、リフレッシュする時間確保や不規則な生活の見直し、難しいようであれば睡眠の確保をしっかり行いましょう。

【血液循環の悪化】
貧血や低血圧の改善(鉄分や水分の摂取)や油の多い食べ物や卵の摂りすぎに気をつけることで悪玉コレステロールによる血液循環の悪化を予防しましょう。
ストレッチや足湯、ぬるめのお湯(38〜40℃)に長くつかるなどを行うことで、血液循環の促進ができます。

【筋肉量が少ない】
筋肉は心臓と同じように全身へ血液を送るポンプ作用の役割があります。
継続できる運動を選び、行いましょう。

【女性ホルモンの乱れ】
女性ホルモンの乱れで結構の悪化を促進するため、無理ダイエットや、ストレス、睡眠不足に気をつけましょう。

<参考>
キリン食生活文化研究所2016年1月29日レポートVol.55「〜あなたの暮らしのアンケート〜体の冷え」

「あなたの冷えはどのタイプ?〜「冷え症タイプ」別対策一覧」(産業保健新聞)
「寒い冬、朝起きられないのはなぜ?」(産業保健新聞)
「侮るなかれ!ウォーキングの効果」(産業保健新聞)


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ドクタートラストの実務経験豊かな産業保健師、精神保健福祉士(PSW)が、これまで数多くの企業の衛生委員会運営に携わってきた経験を活かし、衛生委員会の立上げ・運営や、企業の衛生管理全般に関して支援するサービスです。


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