第081号 知っておきたい「大腸がん・胃がん」

4月の衛生委員会の議題例 知っておきたい「大腸がん・胃がん」

がんのなかでも、大腸がん・胃がんは発見が難しいとされています。
これらのがん治療を受けながら、社会生活を両立するために、周りの人はどのような支援をしていけばよいのか、一緒に考えてみませんか。

下記URLよりダウンロードできます。ぜひ積極的にご活用ください。

『知っておきたい「大腸がん・胃がん」』

DTコラム ~ 現場の声 ~

2月も下旬になりましたが、寒い日が続いていますね。
冬は気分の落ち込みを感じたことがありませんか?
なんだか怠い、身体が重い、気持ちが暗い……など。
こういった体験をしたことがある方もいると思います。

ちなみにわたしは毎年、寒い場所にいるとしっかり寝た日も、眠くてあくびが止まらないという奇妙な現象が起きます。
みなさんの周りに冬になると不調になる方などはいらっしゃいませんか?
仕事の効率が下がったり、ミスを繰り返したり、なんだか元気がない方…。
冬は行動面でも不調が目立つ季節だと言われています。

今日は冬の気候がもたらす不調についてお話したいと思います。

冬季うつ病

さて、みなさん、〝Seasonal Affective Disorder = SAD”という言葉を聞いたことがありますか?

日本語では「季節性感情障害」といわれる病気です。
精神科医のローゼンタールらによって解明された「冬季うつ病(または季節性うつ病)」とも呼ばれる精神疾患をいいます。

一般的なうつ病は精神的なストレスが原因になることが多いのですが、このSADは主に季節・気候の変化による、日照時間の減少が、ホルモンの分泌バランスの乱れを引き起こることによって発症するとされています。

すべての人に当てはまるものではありませんが、特徴的な症状としては、以下が挙げられます。

① だるさや無気力感、集中力の低下
② 過眠(寝ても寝ても眠い、10時間以上寝てしまう)
③ 過食(特に菓子類や炭水化物を多く摂取してしまう)

発症には冬ならではの理由が

冬季うつ病には「目に入る光の量」が大きく関係しています。
人は光に当たると、脳内で満足感や精神安定をもたらすセロトニンという物質の分泌が行われます。
冬になり、日照時間が短くなると、このセロトニンの分泌量は減少してしまうため、だるさや無気力感、集中力の低下など、気分の不調が引き起こされてしまいます。

また、セロトニンは甘いものを食べると分泌が促進されるため、足りていないセロトニンを補おうと脳が甘いものを欲し、その結果、菓子類や炭水化物の過食を招くと考えられています。

過眠については、睡眠を促すメラトニンが関係してきます。
人は朝起きて、光を受けた14~16時間後に眠気がやってくるとう体内時計に則って生活していますが、受ける光の量が少ないとメラトニンの分泌が増えてしまい、これが「過眠」につながります。

日照時間が関係する病気のため、北欧や北米などの寒い地域では発症数も多く広く知られていますが、日本ではまだまだ知名度は低い状況です。

最初に私が冬場感じているといった「眠さ」も恐らくSADが関係していると思われます。
おそらく身体は日照時間の減少の影響を受け、メラトニンの過剰分泌が起きているのかもしれません。

原因がわかれば対策ができる

原因不明のだるさや過眠過食に陥ると、怖いですよね。
でも冬は日照時間が減る、日照時間が減ると体内ではこんな変化が起きている、そのせいでさまざまな症状が出てくる、という知識がつくと対策も講じることができるでしょう。

出勤前に少し散歩を取り入れる、お昼休みは日の当たる場所に出てみる、家では冬場だけベッドを窓際に置いてみるなど、生活のなかで工夫してみませんか。
強烈な食欲にかられた時には、「ああセロトニン不足なんだ」と理解して、トリプトファンを含んだものを選んだり、セロトニンの分泌を促す運動やハグコミュニケーションを行ったり、できることはたくさんあります。

また、もし職場で冬季うつ病のような症状が出ている人がいれば、ぜひ職場全体で知識を共有して、照度を上げる、窓際へ席替えをするなど職場で取り組める対策を考えていきましょう。

毎年だるいな~で終わらせず、今年の冬はぜひ自発的に冬季うつ病に立ち向かっていきましょう。

※睡眠と光の関係は、こちらの記事も参考にしてください。

保健師からの健康アドバイス ~ お役立ちサイトや資料の紹介 ~

◾️マタニティブルーズと産後うつ

産後は身体的負担が大きく、また、赤ちゃんが泣き止まないなど、とても慌ただしい毎日となり「想像していたものと違う」とギャップに苦しむ方が多くいます。
今回は、最近よく聞く「マタニティブルーズ」と「産後うつ」について見ていきましょう。

◎マタニティブルーズ

マタニティブルーズとは、産後3日目くらいからはじまり10日ほどすれば落ち着くものをいいます。
症状としては、気分の揺れ、不安、涙もろくなる、食欲不振などの心の状態で、ホルモンの急激な変化によって起こります。
発症率は15~30%といわれており、高確率でかかります。
しかし、多くの場合は10日ほどで落ち着き、治療は必要としません。

◎産後うつ

産後うつとは、産後ひどく憂鬱な気分になり、何に対しても興味や喜びを感じないような状態が2週間以上続く状態をいいます。
産後2~3週から6か月くらいの頃に発症することが多いですが、産後1年以内であればいつでも起こる可能性があります。
発症率は10~15%で、「赤ちゃんをかわいいと思えない」「母親失格だと思う」「家事や育児をする気がまったくおきない」等の症状がみられることが多いです。
また、産後うつはマタニティブルーズと違い、治療を必要とします。

産後うつになりやすい人の傾向

産後うつになりやすい人の傾向としては、以下が挙げられます。

・切迫流早産であるなど、難産など出産が順調にいかなかった
・完璧主義
・妊娠期間中や出産直後に転勤や人事異動、職場復帰などの人生の大きな転機があった
・妊娠中仕事のストレスが増した
・望まない妊娠であった
・協力者がいない

以上のように、産後うつには、妊娠中からの環境が大いに影響することが分かります。
見方をかえれば、産後うつは周囲のサポートがあれば予防・軽減・改善できるものなのです。

赤ちゃんが泣き止まない時

産後の悩みで多いのが「赤ちゃんが泣き止まない」ということです。
赤ちゃんは生後1~2か月に泣きのピークがあるとされています。
その時の泣きは何をやっても泣き止まないことが多いです。
赤ちゃんが泣いたら、以下の①、②の手順で行ってください。

① 赤ちゃんが欲しがっていると思うものを確かめる
(抱っこ、おむつを替える、母乳・ミルクをあげるなど)
② 赤ちゃんがママのお腹の中にいた状態を作ってあげる
・おくるみで包んであげる
・「シー」という音を聞かせる(実際に声に出して「シー」と言う)
・ビニール袋をクシャクシャさせる
・ドライブに行くなど、心地よい振動をあたえる

どうしても赤ちゃんが泣き止まない…!

上記①、②の手順で進めても、どうしても赤ちゃんが泣き止まないことがあると思います。
問題はありません。
そんなときは以下を試してみてください。
・赤ちゃんを安全な場所に寝かせて、赤ちゃんから離れましょう。
・そして自分がリラックスしましょう。(温かいものを飲む、友人と電話をする等)
・少ししたら戻って赤ちゃんの様子を確認しましょう。
・協力者がいる場合は赤ちゃんのお世話を任せましょう。

大切なのは、産後の母親は大きなダメージを体に受けているということを周囲が理解することです。
そして、誰しもが産後うつとなる可能性があるということを理解し、社会全体でサポートできるようにすることです。
何より、一緒に生活をしている家族のサポートは欠かせません。
また、育児をしている先輩ママに事前に相談するのもいいでしょう。
一人で抱え込む必要はありません。
ぜひ周囲を巻き込んだ子育てを考えてみてください。

 

◾️笑いと健康の関係

思い切り笑ったあと、なんだか気持ちも身体もスッキリすると感じたことはありませんか。
最近では「笑いヨガ教室」なども増えて起きており、笑いと健康の関係が注目されています。
また、「笑い」によって、精神的な側面だけではなく身体的側面にも効果があるということが、研究によって明らかになっています。

笑いとNK細胞の関係

私たちの身体には、身体に悪影響を及ぼす物質を退治してくれるNK細胞というものがあります。
このNK細胞は、身体をがんや感染症から守る役割をになっています。
NK細胞はストレスに弱く、ストレスが強くかかると活性が低下してしまうという特徴があります。
このようにストレスとNK細胞の相性は決していいとは言えない一方で、「笑い」とNK細胞の相性はとても良いとされています。
笑いが発端となりNK細胞が活性化し、免疫力が高まるという効果があるのです。

笑いの効果

NK細胞との相性が抜群な「笑い」ですが、実はこれ以外にも、笑いにはプラスの効果があります。
以下では、「笑いの効果」をご紹介します。

運動効果が得られる

笑うことによって筋肉が刺激されます。
15分笑うことで、消費されるカロリーは約40kcal!
これを毎日続けることによって2キロ/年の減少が望める計算となります。

自律神経が整う

自律神経のバランスが崩れると体調不良へとつながります。
笑うことによって副交感神経が優位となるためリラックス効果が得られると言われています。

痛みの軽減

笑うことにより、ランナーズハイのような状態となり痛みの軽減につながるといわれています。

脳の活性化

笑うことによって、脳の血流量が増加します。
また、脳波もリラックス状態となり脳の活性化が導かれます。

笑いのコツ

「笑い」といっても色々な種類があります。
たとえば、「静かな微笑み」や「声をあげての笑い」などは、同じ「笑い」でも異なりますよね。
効果的な笑い方は、「意識的に声を出して笑う」です。
意識的に声を出して笑うことで、脳だけではなく全身に与える運動効果が高いといわれています。
ぜひ声を出して笑う機会を増やしてみてください。
年齢を重ね、あまり笑わなくなったという方は多いかと思いますが、この機会に日常生活を「笑い」でいっぱいにしてみてはいかがでしょうか。


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ドクタートラストの実務経験豊かな産業保健師、精神保健福祉士(PSW)が、これまで数多くの企業の衛生委員会運営に携わってきた経験を活かし、衛生委員会の立上げ・運営や、企業の衛生管理全般に関して支援するサービスです。


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